今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:25,830 hit
小｜中｜大
18 ページ18
父の様子がどうもおかしい。
｢うっ、あ゛っ…うああああああ｣
｢…ぃ、げ………ぉ…｣
逃げろ…?逃げろと言っているのだろうか。
兄は父の方へと近づく。
｢なあ、父さん、大丈夫か…?今日は疲れただろ?早く家に帰って休もう?な?｣
だんだんと近づいた兄を
父は、食べた。
その顔には、母が死んだ日の、あの夜のように、涙を浮かべていた。
兄も泣いていた。兄は逃げようとしなかった。
｢…す、まな……ぃ｣
父は微かに言った。そう言って兄を抱きしめた。
｢……しあ……ゎ、……せ…な………れよ…｣
兄はそう言って、私に向かって僅かに口角を上げてみせた。その表情のまま父は事切れた。
私はこの光景を、そして、お父さんを、お兄ちゃんを奪った彼奴を、一生、死んでも忘れない。
_
__
_____
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霜月 | 作成日時：2019年10月13日 22時
