Knightsに天使が降ってきた【あんスタ】

天使.18 ページ20

*

｢おまえ…帰るんじゃなかったの。｣

『あらやだ、別に私は帰りたいなんて言ってないんですけど…？』


おれの隣に座ったA
後ろから抱きついてくるもんだから驚いたけど、よくよく見るとこいつ女の子だったよな…

うーん、複雑！


『ねえ、兄さん。少し話をしよっか。』

｢話？｣

『ん、話。そうだなぁ…私が好きな食べ物はね、リンゴなの。ちっちゃい時、"レオおじさん"が泣き止まない私にうさぎリンゴを作ってくれた。だから好き。』

｢ふーん｣



未来では、おれはそんなことしてるんだ。
てかいいの？こんな話聞いて。


ほらよく、ドラ〇もんとかであるじゃん。
未来がどーのこーのってやつ。←


『あとはね〜、お化けが嫌い。だからお化け屋敷も無理！！』

｢そういや学院祭でどっかがお化け屋敷やったって言ってたな。｣

『あー無理無理。無理です、私。たぶんお化け役の人グーパンしちゃう。』

｢え、おまえそんなキャラだったっけ…｣

『ええ？これでも私_____』


しばらくおれたちは他愛もない話をした。
それはもう、Aの話をしよっか宣言通りに。

そしてふと気づく

こいつ、おれと未来のおれの呼び分けしてること


もう一生聞けないから、あえて聞いてみた


そしたら


『だって、今隣にいる月永レオはおじさんよか、本当にお兄ちゃんみたいだったから。』

最高に可愛い笑顔だったんだ。



それがなんだか物凄く複雑で

胸がギュッて締め付けられるみたいで

おれはこんな感覚知らないし、知りたくもない


おれはこれ以上の気持ちを抱いちゃいけない
だって未来の姪っ子だから


たった1ヶ月
どこも芽生える隙なんてなかったはずだったんだ

あーあ、セナにはチョロいとか言うけどおれも人のこと言えないんだなぁ。



『…兄さん？』

｢おれ、帰って欲しくない。おまえとずーっと一緒に居たいよ｣


思わず、Aの服の裾を掴んだ



するとAはおれを引き寄せ抱きしめる
スパダリかよ。



『大好きだよ、兄さん。未来で待ってる』

｢………っうん｣



心做しかAの声も震えてるように聞こえて
おれはめいっぱい抱きついた



"大好きだ！！！"



おれが普段から口にしてる最早口癖のようなそれは
Aの口から聞くと軽々しくなんてなくて、おれの中でずーっと響いている

その意味はおれには分からない




暫くしてスタジオに戻れば呆れ顔のおれとレイ
そして何も言わず来た時の穴を作り出して難なく3人は入って




消えた

*

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