先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ19)

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『凛月先輩』

あの子のライブがあと三日後に控えた放課後

誰も居なくなった教室で俺は自席に腰をかけて、何をする訳でもなくただぼーっとしていた時だった。

扉に手をかけながらあの子が俺の名前を呼んだ

視線を向ければ、『うっちゅっちゅ～☆』とどっかの誰かさんに似てダブルピースをして当たり前のように前の席に座った

ねえ、タイムリーすぎない？

「久しぶりだね、A」

『ですね、ちょっと久しぶり。ねえ、先輩』

カタン、と椅子をこちらに向けてAは下を向いた

"また話を聞いてくれますか？"

小さくそう呟いて。

「それが俺の役目だしねぇ～…？いいよ、気が済むまで聞いてあげる。」

今更

好きになっちゃったから聞きたくないなんてワガママが通じる訳でもなくて、

それはきっとこの子を傷つけてしまうから。

だから俺は余裕そうな笑みを貼っつけて頬杖を着けば、Aの頭をよしよしと撫でてあげる。

『もし、。もしですよ。』

「うん？」

俯いてた顔が、視線が

綺麗なライトグリーンの瞳が俺を映した

小さく、不安をだいて揺れながら確かにその瞳に俺が居る

『もし、私が先輩を好きだって言ったら…先輩は、…先輩は、………………迷惑…ですか？』

「え」

きっと、なんて言えばいいのか検討がつかなくて咄嗟に「迷惑か」なんて質問に切り替わったのは俺でも分かる。

だけど、じゃあ他に、本当になんの質問をしたかったのか

その正解を出してしまえば俺はまたきっと期待しちゃうから。

「ううん、迷惑じゃないよ。俺だったら素直に嬉しいと思うけどね。」

また俺は余裕そうな笑みを貼っつけて、Aの頭を撫でた

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