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連れて来られたのは、所謂アッチ系のホテル。薄々勘付いていたが、それが確定となってしまった
最後の抵抗を試みようと体に力を入れるが、そうはさせまいと両腕をガッチリ掴まれる
「あんま抵抗しない方が身のためだよ? 結構キツイのが好きな奴もいるから、それに火がついたらどうすんの〜?」
もう駄目だな。体格差的にも勝ち目はない。私は抵抗をやめ、ズルズルと部屋へと連れて行かれる
怖い。嫌だ。気持ち悪い。不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快不快
静かに涙を流しながら震える私を、部屋の中へと入れようとする不良達。部屋に無理矢理押し込められ、無意識にぽつり、と助けを乞うた
『宿儺、助けてっ』
「__漸く口に出したか、この大馬鹿者が」
耳馴染みのある声が聞こえたと思った瞬間、私の腕を掴んでいた男が吹っ飛ばされ、後ろから回った手で抱き寄せられる
一瞬だけ体が強張ったが、体に触れる心地よい体温。安心からか、一気に体の力が抜ける
「ちゃんと自分で立て、それくらいできるだろう」
『無理。安心したら体に力が入んない』
支えられながら私が言うと、「手の掛かる奴だ」と小さくため息をつかれた
そして私を壁に寄り掛からせ、自分の背中で私を隠すようにすると、拳をポキポキと鳴らして十八番の睨みを聞かせながら口を開く
「俺の女に手を出すとは、余程死にたいらしいな? 来い塵共、ちょいとばかし遊んでやる」
不良達を煽り、襲い掛かられたところを躊躇なく殴り蹴りの一発で仕留める姿を見て、相変わらず喧嘩が強いなと小さく笑う
恋焦がれるほど逞しいその背中はとても大きく見えて、不安という感情は何処かへと消えてしまった
数分も経たずに不良達が全滅したところでくるりと振り返って此方へと近付くと、私を正面から抱き締める
「勝手に俺の視界から消えるな。また今回のようなことが起きるぞ」
『うん、ごめん。__それと助けてくれてありがとう、宿儺』
嗚呼、やっぱりこの温もりは心地良い
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眠民。 - 完結おめでとうございます!!シロツメココロさんの作品を一気見して、一番好きな作品がこれですっっ!!虎杖推しではありますが、普通に宿儺かっこいいんだよなぁ‥。夢主ちゃんは結局どちらを選んだんですかね!?神作品ありがとうございました!!大好きです❤ (11月26日 16時) (レス) @page30 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - ナナ宮さん» コメントありがとうございます。まだ虎杖悠仁もあるのでまだ旅立たないでください(笑)。こちらは愛してますよォ(イケボ) (2022年6月20日 23時) (レス) id: d24c7f43b6 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ宮 - ずぎでずぅぅぅぅ!!!!(泣)ありがどうございまず!!素敵な人生でした…今なら◯ねます、本望です。こんな素晴らしい作品に出会えて幸せっす…!続きめっちゃ楽しみです!更新楽しみに待ってます! (2022年6月20日 23時) (レス) @page13 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年5月7日 12時