#237 ページ10
早速始まったケイドロ、てかドロケー。
まぁ、どっちでもいんだけど。
兎に角想像以上にワクワクしてる自分がいて、無駄にアクロバティックな事をする。
「有里目障り大人しくしろよ」
「目障りは否定出来んが大人しくしたら捕まるじゃん!」
業に面倒臭いと言わんばかりの目線を向けられる。
何気に傷ついた。
「ケイドロとかなつかしーよな!
こんな広いフィールドで高さも使ってやれるなんてワクワクするわ!!」
「だよねー!!!
もうちょー同意っ!!!
聞いたか業、これが普通なんだよ!!!!」
業の腕を掴んで激しく揺らしながら話しかける。
オラ、ワクワクすっぞ!!!
……許してヒヤシンス。
そんな茶番をしている間に、開始してから数分が経つ。
ここで1つ確認しておいて欲しいのは、数分という事だ。
「ビッチ先生ぇアウトぉー♡」
……だが、何だこのさっきから鳴り止まない律からの通知は。
「やばい、どんどん殺られてく。
殺戮の裏山だ」
カエデが小刻みに震えながら、とんでもないスピードで皆が逮捕されていくのを確認する。
烏間先生も化け物だよね。
渚が冷静に逮捕だとツッコミを入れてたのには感心する。
「あ、でもこれケイドロでしょ?
だったら」
愛美が言いかけて、杉野がはっと気付く。
牢屋の泥棒にタッチすれば開放できるという、単純なルールに。
それからさっさと牢屋に向かって走りだした。
「…バカだね〜杉野は」
そんな杉野の背中を追いかけながら、業が呆れた様に呟く。
私も苦笑しながら頷いた。
「ラスト1分まで…牢屋の前から動かないって言ってたじゃんよ。
誰があのタコの目を盗んでタッチできるよ。
できる位ならとっくに殺してるって」
「ほんとに、無敵すぎっしょ……」
草が生い茂っていて牢屋の様子が伺えない為、業の上に被さる。
見えたのは柄の悪そうな雰囲気満載の殺せんせー。
どうやら、ドリルをやらされてるっぽい。
うっわー、捕まりたくねーよ。
「……重い」
「あ"あ"ん?
てめぇ今何かほざいたか風穴開けるわよ」
「ネタぶっ込んでくるあたりさほど怒ってないよね」
「私の仏の様な広い心に感謝しとけよ」
「仏に謝りなよ」
腹立つわこの男!!
……それにしても。
どう助けましょうかねぇ、あの泥棒達。
宿題2倍コースだけは避けようぜ……。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時