#272 ページ46
目元に浮かんだ涙を止めてから、私は皆残ってるであろう教室へ移動する。
教室のドアを開けた瞬間に、私の視界は28人全員を捉えて。
ああ、やっぱり心配してたんだなって笑ってしまった。
「どうだった?」
私が笑ったのに不信感を抱きながも、カエデがこちらに駆け寄って尋ねた。
私は笑いを苦笑に変えてから、少し言葉を濁らせ
「何て言うか……普通に三者面談してきた」
「「何で!?」」
そう視線を逸らして言うと、全員からの突っ込み。
むしろ私がそれを聞きたいくらいだ。
「あと、殺せんせーの事は他言無用ってのはサラッと受け入れてて……」
「じゃあ何しに来たんだ?」
「それが私にもわかんないんだよなー。
殺せんせーと話しに来たとは言ってたけど、肝心な話する前に出されちゃったし」
結局、私が知りたかった事は何1つわかっていない。
1つ目に、お母さんは何処で殺せんせーの事を知ったのか。
2つ目に、何を殺せんせーと話そうとしていたのか。
3つ目に、殺せんせーに何を求めているのか。
ざっとあげるとこんなものか……。
「あっ」
「えっ、なに?」
「クソ兄貴に電話してみる」
お母さんが来る寸前に思い出したクソ兄貴の事。
前ははぐらかされたままだったが、問題が直面してきたんだ。
何かヒントでもくれるだろう。
そんな淡い期待をして携帯からクソ兄貴の名前を探し出す。
すると、たった数回のコールで繋がるそれ。
『もっしもーし!!!!』
異様にハイテンションな声で出たクソ兄貴。
私は口元に携帯を持ってきてから、ゆっくり息を吸った。
「うるっせぇよ電話ででかい声出してんじゃねぇ!!!!!!」
お互い様なんて、そんな事知らない。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時