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#270 ページ44

お母さんを連れて殺せんせーの待機する教室へ。


入った瞬間に見える黄色い巨大タコに、お母さんは一切驚いた様子を見せなかった。


「こんなところまで、態々すみません」


「いえ、こちらも急に来てしまって迷惑だったでしょう」


そう言って綺麗な微笑みを貼り付けるお母さん。


はい、営業スマイルいただきました。


それから殺せんせーに促されて席に座った私達。


ここからだ、本題は。


「先ず、お聞きしたい事もおありでしょう。
三者面談、という形でとは言いましたが……。
私は貴方にお話したい事があり来ました」


お母さんがゆっくりとそう話し、違和感を覚えた。


貴方と、ではなく。


貴方に、と言った事に。


「その前に、貴方が知りたいと思っている事に答えましょう」


「では、お言葉に甘えて。
有里さんをこの教室に残す、という考えはありますか?」


「ちょっ、先生今私の事はいいでしょ!?」


何故、この先生は自分が教師を続けられなくなる事よりも……。


私の事を優先するのだろうか。


今の殺せんせーの発言は、E組(ここ)にいたいという私の思いを考えての事だろう。


私の制止を殺せんせーは生徒が優先だと窘める。


そんな殺せんせーを見たお母さんが、急に笑い出した。


「取って食おうってんじゃないんだから、落ち着きな有里」


完璧に化けの皮剥がれたうちの母。


昔から誰かを見定める時だったり、ちゃんとした場では堅い感じから入る人だったが……。


まさかここまで早いとは。


「ごめんなさいね、先生。
貴方を訴えたりなんだりする気はないんですよ」


口に手を当てながら笑うお母さん。


私やっぱりこの人の考えてる事ぜんっぜんわかんないや。


状況についていけずにうろたえる私に理解しろと一言放つ母は。


やっぱりどう考えても何時もの私にだけ冷たいお母さんで。


だけど、したり顔で口角を上げる母は。


私の知らないお母さんだ。


「取り敢えず、有里を何処か別のところに、なんて考えは微塵もありませんよ。
うちは放任主義なんでね、何しててもこの子の自由です。
勿論、尻拭いなんて一切しませんけどね」


方眉を上げてそう言ったお母さん。


この人のキャラが全く安定してないと思うの私だけかな……。

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設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時

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