#268 ページ42
さっきは偶々浅野がいたから助かったため、今度は少し周りに気を配りながら歩く。
それから山に差し掛かったところで、一気に考えに集中してのぼり始めた。
最悪、転ぶだけで済むからね。
スローペースで歩き、中腹まで行ったところでもう何度目かもわからない溜息をつく。
「今日は随分と早いな、水崎さん」
ふと聞こえた声に振り返ると、そこには烏間先生がいて。
「からすませんせぇ〜……」
思わず半泣きした。
その時の烏間先生凄くテンパっててマジで申し訳ないと思ってる。
取り敢えず、宥められた私は烏間先生と一緒に職員室へ。
そこからビッチ先生と殺せんせーを交えて、昨日の出来事を話した。
「……って訳なんですけど…………どうしましょう」
どうしましょうじゃねーよ。
心の中で突っ込みつつも、私から出る案なんて微塵もない。
「仕方ないですねぇ。
こうなってしまった以上、私が話しましょう。
それで水崎さんのお母さんから聞き出すしか無いでしょうし」
殺せんせーが、重い口を開く。
その案が最善かどうかは、私には判断がつかない。
だが、烏間先生までもがしかたないと言っている辺り……。
本当にただ事じゃすまない。
「兎に角、今ここで考え込んでいても答えはでないでしょう。
水崎さんはそんな不安そうな顔をしていたら、皆も不安にさせてしまいますよ」
さして変わらない殺せんせーの顔だが、この時は何だか微笑んでいるように見えて。
私は顔を引き攣らせながらも、無理矢理そうですねって言って笑った。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時