#265 ページ39
「…で、どうでした?
1時間目をコードネームで過ごした気分は」
教室に入ってきてそうそう、殺せんせーはこの場にいる全員の心を抉る。
「「なんか…どっと傷ついた」」
どんよりする私達に、殺せんせーはそうですかと対して気に留めない様子。
そもそも何あたしの見た目詐欺の腰抜けニートって。
あたしまだニートじゃないんですけど。
てかこれ絶対寺坂でしょ。
私以外にも皆結構酷い名前をつけられてるあたり、考えるのが面倒臭くなった事が伺える。
まあ?
私は全部白紙で出したけどね!!
「殺せんせー、何で俺だけ本名のままだったんだよ」
そういえばというように、木村が殺せんせーに尋ねた。
「今日の体育の訓練内容は知ってましたから。
君の機動力なら活躍すると思ったからです。
さっきみたいにカッコよく決めた時なら…。
「ジャスティス」って名前でもしっくりきたでしょ」
「……うーん…」
思わず殺せんせーの言葉に考える素振りを見せる木村。
確かに、カッコよく決めさえすればしっくりくる。
……断じて決めれないって言ってるわけじゃない。
「安心のため言っておくと木村君。
君の名前は比較的簡単に改名手続きができるはずです」
流石殺せんせーと言うべきか、なにやら紙を取り出して説明し始める。
どうやら改名の条件を木村はほぼ満たしているのだそう。
「でもね木村君。
もし君が先生を殺せたなら…世界はきっと君の名をこう解釈するでしょう。
「まさしく
「………」
「親がくれた立派な名前に、正直大した意味は無い。
意味があるのはその名の人が実際の人生で何をしたか。
名前は人を造らない。
人が歩いた足跡の中に、そっと名前が残るだけです」
そこまで言ってから、殺せんせーは今日の訓練の成果である紙を見せる。
それは、烏間先生に当てたもの。
「もうしばらくはその
少なくとも、暗殺に決着がつくときまでは…ね」
またもや、最後は授業。
私は微笑みながら、そうしてやるかと漏らす木村に目をやる。
その後、殺せんせーのコードネームがバカなるエ ロのチキンのタコとなった話は、割愛と言う事で。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時