#260 ページ33
「な…何作ってんのイトナ君?」
私がイトナの側で半泣きしていると、渚がこちらに視線を向けて尋ねた。
イトナはやっぱり手を止めず。
ただ淡々と1日勉強漬けにされてストレスが溜まったから、ラジコンの戦闘車を作って殺すのだと答えた。
それから、
いかにも簡単そうに答えるイトナだったが、どっからどう見てもハイテクすぎだ。
「すごいなイトナ…自分で考えて改造してるのか」
磯貝がイトナの手元を覗きながらそうもらす。
お父さんの工場で基本は覚えていたらしく。
その後も黙々と手を動かし続けていた。
「すげぇ…走ってる時も撃つ時もほとんど音がしねぇ」
「こいつは使えるな」
早速試運転をするイトナに、前原と千葉が感嘆の声を上げた。
それに対してイトナは丁寧に説明をする。
「電子制御を多用する事でギアの駆動音を抑えている。
ガン・カメラはスマホのものを流用した。
銃の照準と連動しつつコントローラーに映像を送る」
段々と専門的になるその説明には、何とも尊敬せずにはいられない。
その場にいた人達は皆、揃ってラジコンの戦闘車に釘付けだ。
「………それと、もうひとつおまえらに教えてやる」
唐突に口を開いたイトナの次に続いた言葉は、今までになかった重要な事で。
狙うべき理想の一点の事だった。
それは、
「奴には"心臓"がある。
位置はネクタイの真下。
そこに当たれば一発で絶命できるそうだ」
イトナの話を聞いて、息を呑む私達。
殺せんせーの、水に続く……。
否、水を超える大きな弱点が今。
明らかになったのだった。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時