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寺坂達の後を黙って影から見守る私達。
既にふらふらのイトナの頭には、対先生ネットをリメイクしたバンダナがつけてある。
だが、それも気休めにしかならないだろう。
「…さておめーら」
沈黙が続いていた中、やっと寺坂が声を発する。
「どーすっべ、これから」
と、間抜けな表情を浮かべて。
吉田や村松がキレるのも無理はない。
そして逆ギレする寺坂はどうかと思う。
「村松んちラーメン屋でしょ。
一杯食べたらこの子も気ぃ楽になるんじゃない?」
こんな時、寺坂組で最もしっかりしてるのは狭間ちゃんだろう。
先ずはイトナの力を抜く。
それが1番だ。
ラーメンを食べた後は吉田の家のバイク屋に移動。
バイクに乗る吉田とイトナに、思わず私はフェンスを握る。
「う……羨ましすぎる」
おっとさんにバイク乗せてもらったの4年も前なんです。
中学生が無免でいいのかよとは思ったが、よくよく考えれば吉田ん家の敷地内だ。
問題ないだろう。
それからも、ホントに無計画に騒ぐ3バカ。
「ま、あいつら基本バカだから仕方ないよ」
「あはっ、それ寺坂聞いたらおっこりそ〜」
頼みの綱の狭間ちゃんも、モンテ・クリスト伯を進める始末。
あ、それなかなか面白かった気がする。
「狭間テメーは小難しい上に暗いんだよ!!」
「何よ。
心の闇は大事にしなきゃ」
さして策も無い寺坂がキレるとどうも腹立つ。
むっとしながら見ていると、どうやらタイムリミットも近かったらしく。
「もーちょっとねーのかよ、簡単にアガるやつ!!
だってこいつ頭悪そう…」
そう言った瞬間だった。
イトナの触手が、再び暴走し始めたのは。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時