#250 ページ23
触手が当たりそうになって、思わず尻餅をつく私。
逃げ出すイトナをただ呆然と見つめるしかなかった。
「有里、怪我は?」
「……無い…………と思う」
慌てて私に駆け寄ってきた業に手を貸してもらいながら立ち上がる。
その後、私達と先生、それから防衛省の人も一緒になってイトナを捜した。
だが、暗闇に消えた彼を見つける事は出来ず。
そのまま翌日を迎えてしまった。
「心配なのは姿を隠したイトナ君です。
口を尖らせながら皆のご機嫌取りを一蹴し、そう話し出す殺せんせー。
シロに梯子を外されてしまった今、どう暴走するのかもわからないと言う。
「名義上はクラスメートだけどさ、俺等あいつの事何も知らねーよな」
杉野のその言葉は、的を得ていただろう。
だからこそ、イトナが苦しんでいるのを知りながらも授業を受けれたのかもしれない。
しかし、そんな状況をも一変するニュースが私達に舞い込んできた。
律の周囲に集まって見ているのは、携帯電話ショップが次々と破壊されているとう事件。
「…これ…イトナの仕業…だよな?」
「……ええ。
使い慣れた先生にはわかりますが、この破壊は触手でなくてはまず出来ない」
殺せんせーは自らの触手を見ながらこたえる。
何故携帯ショップばかり狙っているのかはわからないが、殺せんせーがそうだと言っているのだから間違いはないのだろう。
「担任として、責任を持って彼を止めます。
彼を探して保護しなければ」
急に発した殺せんせー。
だが、その言葉に賛同するものはいなかった。
……私以外は。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時