#248 ページ21
遅かった私の声は虚しく広がる空に吸い込まれて消えていく。
向こう側から歩いて出てきたのはシロ。
っつーことはイトナもいる、と。
「国にかけあって烏間先生の部下をお借りしてね。
この対先生シーツの檻の中まで誘ってもらった」
あぁ、これはこれは……。
考えが当たってしまったという事か。
思わず額を抱える私。
「君の生徒が南の島でやった方法だ。
当てるよりまずは囲むべし」
パクりやがったであの男。
指を立てて説明するシロに殺意が湧く。
「さぁ殺せんせー。
最後のデスマッチを始めようか」
その台詞とともに現れたのは、やっぱりイトナ。
もっと初めから考えればよかった。
殺せんせーの真似して粘液出せるのは、同じ触手を持ったイトナしかいないはずだ。
「まずフィールドを劇的に変化させそれから襲う。
当てるよりまずは囲うが易し。
君達の戦法を使わせてもらったよ」
振り向いて私達に話しかけるシロ。
そんな奴に、寺坂が慌てた様に茂みから出て行く。
この計画の全てが、コイツの計画だった事はもはや聞くまでもなかった。
「この彼を責めてはいけない。
仕上げとなるこの場所だけは…下着ドロの代役が必要だったもんでね」
申し訳無さそうな顔をする烏間先生の部下、鶴田さん。
やりたくないが断れなかったとの事だった。
「…いっつもいやらしいとこから手ぇ回して…!!」
「それが大人ってものさ。
そうだ!
中の様子が見えないと不安だろう。
私の戦術を細かく解説してあげよう」
両手を軽く広げて解説し始めるシロに、私達は黙っている他なかった。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時