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やっばり、真犯人は別にいた。
軽々とした身のこなしで洗濯物の前に姿を現した下着ドロ。
右手を伸ばし、私達が焦っているところで
「捕まえたー!!」
殺せんせーの触手の餌食になった。
そのまま押し倒して隅から隅まで手入れすると意気込む殺せんせー。
「…なんか下着ドロより危ない事してるみたい」
「笑い方も報道されてる通りだしね」
どっはんばったん暴れる様子を見て最早出る幕をなくした私達。
私は小さく溜息をついた。
その時だ、小さな違和感に気付いたのは。
「ちょっ、ちょっと待ってよ……。
なんか可笑しくない?」
焦る気持ちを落ち着けるように敢えて口に出すその言葉。
私は状況を今一度整理し始める。
先ず、新聞に載っていた黄色い頭の大男。
なるほど、まあ暗いし百歩譲ってヘルメットだと判断できなかったとしよう。
じゃあ、粘液は?
謎の粘液はどうなる。
見る限りそんな物を隠し持っている様子は無い。
今まで何処からそんな物を出していた?
それから真犯人は、殺せんせーの真似をしていた。
それはきっと、生徒の信用を失った殺せんせーが慌てて動くのを待っていたから。
それに、やっぱり1番引っかかるのは、粘液だ。
あれはどう見てもただの人間だし、粘液は出せない。
って事は……まさか、あれは殺せんせーを誘き出すための替え玉?
十分にあり得る。
でも、殺せんせーの粘液と同じ物を出せる存在……。
「違う殺せんせー!!
それ犯人じゃないっっ!!!!」
いた。
1人だけ、粘液を出せる人間が。
私が気づいて叫んだ時にはもう遅く。
ヘルメットを取って露わになった顔に驚いていた殺せんせーは、何かの布に囲まれてた。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時