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#242 ページ15

「なあ水崎……」


「なに」


自分の席、椅子の上で膝を抱え丸くなっている私に声を掛けてきたのは前原だった。


眉を顰めるその表情は、何と表すべきか。


「なんでお前業のカーデ着てんだ……?」


見ているこっちが暑いとでも言いたそうな前原。


だがそれは前原に限った事ではなかろう。


皆、同じような視線で私を見ていた。


「どっかの誰かさんに水ぶっかけられて寒いんだよ」


「まだ寒い時期じゃないだろ!?」


「じゃあお前水かぶってこいよ!!
言っとくけどここ山、山だかんね!!!」


知ってる!?


山って寒いんだよ!!!


あー……クソ寒ぃ…………。


膝に顔を埋める私に、皆は苦笑を零す他なかった。


そんな平和な、日常的な、至って普通の……。


私達にとっては代わり映えのない1日。


だが翌日、それがいとも簡単に壊れた。


「汚物を見る目!?」


朝、教室に入ってきて早々に殺せんせーが焦る。


それもそのはず。


皆とんでもない顔して殺せんせーの事を見ているのだから。


「多発する巨乳専門の下着ドロ。
犯人は黄色い頭の大男。
ヌルフフフ…と笑い、現場には謎の粘液を残す」


誰かが、たった今殺せんせーが教室に入ってくるまで話題に上がっていた新聞を読み上げた。


殺せんせーはその新聞を受け取って動揺しまくり。


「これ完全に殺せんせーよね」


「正直がっかりだよ」


「こんな事してたなんて」


口々に零す皆に殺せんせーは新聞をクシャリと握り、必死に抗議する。


私はただ何も言わず、じっとその様子を眺めていた。

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設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年12月12日 12時

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