【暗殺教室】変人女子の非日常１４ (ページ4)

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殺す為だとか、そんな理由は深く考えなかったように思う。

ただ握る力が弱いと言われ、触手をぎゅっと強く握り直す。

時間が止まればいいのに、なんて、ここまできてそう願ってしまう。

「ネクタイの下…心臓…だよね。
最後は…誰が？」

メグがそう言いながら周りの様子を伺った為、私はちらりと隣にいる業を盗み見る。

殺せんせーを殺すのは自分だと、今までで言い合ってきた。

けれど、業は何かを考えるようにじっと掴んだ触手を見つめたままで何も答えない。

「…お願い皆、僕に…殺らせて」

そんな中、ナイフを片手に声を発したのは渚だった。

私はやっぱりね、何て小さく笑う。

暗殺教室は、彼無しでは語れないのだから。

「…誰も文句は無ぇ」

「この教室じゃ…渚が首席だ」

寺坂と業も、小さく笑いながら頷く。

クラスが2つの意見に別れた時……あの時に、たぶん私達の中の首席が渚に決まった。

少なくとも私はそう思うのだ。

否定されなかった事を安心したかのように微笑み返した渚は、今度こそ顔を引き締めて殺せんせーの上にまたがる。

その時が、刻一刻と迫っている。

心臓がうるさい。

「…………………………………さて皆さん。
いよいよですね」

こんな時でも穏やかな殺せんせーの声が、今はこの感情とちょっと不釣り合いだ。

「1人1人にお別れの言葉を言っていたら24時間あっても足りません。
細かい事は教室に残したアドバイスブックに書いてきたので、長い会話は不要です」

その言葉に、思わず涙が落ちそうになった。

私達が殺せんせーに会う為に頑張っている間、殺せんせーも一生懸命に何かを残そうとしてくれたのがとてつもなく嬉しかったのだ。

「そのかわり、最後に…出席を取ります。
1人1人先生の目を見て大きな声で返事を下さい」

その時が、近い。

触手を握る手が震えた。