【暗殺教室】変人女子の非日常１４ (ページ20)

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「すいませーん！！
生ひとつ追加で！！」

騒がしい店内で忙しく働く若い女性の店員さんに言うと、彼女は笑顔で元気よく注文を承る。

正面ではどうしてこうなったと言わんばかりの顔した業が生ビールを流し込んでいた。

「何で1年ぶりに会った彼氏と行くのが居酒屋なわけ……」

「パリにはないじゃん、こういう雰囲気」

もっと他にもあっただろうという視線を無視し、運ばれてきたそれに口をつける。

あー、この感じ久々だわ。

「まあでも……優勝おめでとう」

居酒屋だけど、と溢す業に、私は笑いながらありがとうを返す。

ちゃんとしたお祝いをしてくれる気だったのだろうが、私が居酒屋なんて言ってしまったばかりに予定が崩れてしまったのだろう。

半分くらい申し訳ないが、もう半分はこれでよかったと思っている。

まだまだ最終目的の半分も達成できていないのだから、お祝いしてくれるのならその時がいい。

何十年かかるのかわからないけれど。

「……よし、業の家行こう」

「はあ？」

「女の影が無いかチェックしないと！」

「あるわけ無いだろ、酔ってんの？」

思いっきり眉根を寄せる業は、そのまま私の手に持っていたグラスを取り上げた。

「だって4年間本当に帰らないような奴、浮気されててもおかしくないって言われた」

むっと取り上げられたそれを睨みつけながら溢すと、誰にだよと呆れた声が降ってくる。

誰にだなんて、そんなもの浮気(される方)のエキスパートである向こうの友人だ。

「で、仮にされてたらどうすんの」

「……どうもできない」

取り上げられた物を取り返してから残りを一気に流し込んだ。