＃５５８ ページ17
「私が何処まで知っているかご存知無いようですけれど。
……敢えて全てと言わせていただきます」
声のハリ、質、重み、真っ直ぐな目線。
全てにおいてそれが嘘でないという事は、国を背負って数々の話し合いをしてきた政府側の人間にとっては火を見るより明らかであった。
流石のポーカーフェイスも崩れ去り、大きく目を見開いている。
「ですから、貴方方が何故そこまでして娘を保護という名で閉じ込めたいのかはある程度理解しているつもりです。
けれど、だからといってはいと了承する気はありません」
「……では、お母さんは」
「なので、判断は娘に任せます」
「っえ……？」
政府の人が何かを言おうとしたのを遮って放った母親の言葉に、今度は私が目を見開く番だった。
「お、お母さん？」
「うちは放任主義なんです。
娘が自らそこに行きたいと言うのならば私は止めません。
いえ、止める事は出来ませんし許されません」
えー、待ってこの人何言ってんの？？？
正直な言葉がそのまま口に出てしまいそうになるのを寸前で堪える。
背後でビッチ先生も驚いているのが気配で感じられた。
「ちょ、ちょっとお母さん？？？
何を言って……」
「有里、アンタに何が出来て何が出来無いのかはお母さんにはわからない。
自分で決めなさい」
横目で見られて、その意図を汲み取ろうと懸命に見つめ返す。
私に選択権を与えたのは、私が動きやすい様にする為か？
しかし、動きやすいも何も私一人で何か出来るかと言われればそうでは無いだろう。
皆と同じ所に行きますと言ったところで待っているのは今より最悪な状況だ。
では家に帰ると言った場合は？
これもまた、どうせ外から監視されて動く事はままならなくなるだろう。
母は勿論それを理解しているはずだ。
だからこそ、私に出来る事を選択しろと言うのだ。
そこまでをやっと理解してから、私は自分の中にたった一つだけある微かな可能性にかけてゆっくりと息を吸った。
「私は…………」
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聖泉りか(プロフ) - ユウさん» コメントありがとうございます。長い間お待たせしてしまいすみません……。なるべくお待たせしないよう更新頑張りますね！ (2017年10月2日 1時) (
レス) id: de99d9a9ba (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - はじめまして！ユウと申します。続き書かれるんですね！最初から読んだので、続けると聞いて舞い上がってます(笑)色々大変だとは思いますが、無理しない程度に頑張ってください！楽しみにいつまででも待ってます！ (2017年8月26日 11時) (レス) id: 4bbf2597ea (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - いえいえ！続きが読めると聞いて安心しました。自分のペースで頑張って下さい(*^^*)！応援してます！ (2017年8月17日 15時) (レス) id: 438c3a64fb (このIDを非表示/違反報告)
聖泉りか(プロフ) - 琥珀さん» 長い間お返事出来ずすみません、これから少しづつ更新していこうと思っています。また読んでいただけると嬉しいです。 (2017年7月28日 2時) (レス) id: de99d9a9ba (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 更新はしないのですか？？ (2017年2月11日 15時) (レス) id: 438c3a64fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖泉りか | 作成日時：2016年10月10日 17時
