【暗殺教室】変人女子の非日常１０ (ページ21)

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何時もの最寄り駅から校舎へ向かおうとしていた私の足を止めたのは、携帯の着メロだった。

こんな時間のしかも平日に。

不審に思って恐る恐る携帯を見ると、表示されていたのは知らない番号。

というより、公衆電話の番号だった。

出るべきか出ないべきか。

悩んだ結果、態々公衆電話から携帯にかけてくるという事は私個人に用がある人なのかと考え。

変な人だったらすぐ切ろうと、通話終了の位置に指を固定しながら耳元に当てた。

「……もしもし」

ゆっくりと声を発するが、返ってくる気配が無い。

徐々にイライラしてきて誰かもわからない相手を罵倒しかける。

もう切ってやろうかと思った時。

『……有里』

携帯越しに聞き慣れた声が聞こえてきた。

「おまっ、クソ兄貴！！
今まで何処で何してたわけ！？」

もう１週間程連絡が取れなかった為、思わず大きな声を出す。

それからやってしまったと気付き、慌てて人の少ない所へ移動した。

『有里、今から誰にも言わずに椚ヶ丘公園のすすき野原まで来て欲しい』

「……どういう」

一方的に用を告げたクソ兄貴は、私の言葉は最後まで聞かずに電話を切った。

通話終了の無機質な機械の音が私に考えろと促す。

公衆電話電話からかけてきたのは携帯が使えないから？

それとも誰かにバレない様にしたいから？

……あるいは、どちらもという可能性もある。

そこまで考えて、ぐちゃぐちゃになった頭の中の考えを振り切る様に頭を振った。

真剣なあの声を聞いて、行かないという選択肢が私にあるだろうか。

答えは否。

結局、私の隠してたお兄ちゃんっ子発動。

根っからの部分は変われないらしい。

殺せんせーに連絡する事も忘れて駆け出していた。