＃２ ページ3
悪魔と契約して８年の時が流れ、私は１４歳、つまり中学３年になった。
中学校は私立椚ヶ丘中学校。
病気の治った私は家族からも愛された。
病気の時と変わった私の姿は、家族の記憶を書き換える事で矛盾もなくしたのだ。
そんな私は３年に上がると同時に、Ｅ組に落とされる事となる。
否、落とされるというよりは、自ら落ちたというのがふさわしい。
暴力行為を行なって。
Ｅ組とは差別対象のクラスで、校舎は山の中にある。
「何であんな差別対象のクラスなんかに落ちたんだい？」
私の部屋の窓際でくつろいでいる黒猫が笑って尋ねる。
わかってるくせに。
「勿論、人生を楽しむ為の選択肢よ」
薄く笑を浮かべる私に、黒猫は優雅に窓際から床に降りて尋ねる。
今日も行くのかと。
私は答えずに一層笑を濃くした。
「今日は誰だい？」
「貴方の好みで選べばいいわ」
右肩に黒猫を乗せた私は、部屋の窓を開ける。
時刻は夜中の２時。
私は窓から外へと体を滑り込ませる。
「ああ、でも。
出来れば近い方がありがたいわね。
明日はずっと待ち望んでいた日だから、遅刻せずに学校に行きたいの」
「珍しい事もあるものだね。
綾が学校に行きたいなんて」
「明日は槍が降るかもね？」
住宅地の屋根を駆けながら黒猫とそんな話をする。
そうして見つけた適当な人を。
私はただ無防備に近づいて尋ねる。
「貴方は、悪魔の言葉を信じる？」
と。
それに私が満足する答えじゃなければ殺す。
恐怖を与えながら、ゆっくりと。
「相変わらず残酷な殺し方をするね、綾は」
そう言いながら私の肩から飛び下り死体に近付く黒猫。
私はナイフについた血をじっと見つめ、目を細める。
「その方が美味しいんでしょう？」
魂は。
その言葉は敢えて出さずに答える。
私のこたえに満足したのか、黒猫は……否。
黒猫の形をした悪魔は。
ただただ満足そうに、碧い色を怪しく光らせて笑っていた。
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本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 素敵な作品と出会えて良かったです( ´•̥ ̫ •̥` )いつかカルマside見れたら良いな！ (2023年2月1日 16時) (
レス) @page43 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
♪clover♪ - それから受験お疲れ様でした！ (2016年2月20日 22時) (レス) id: b2a8be354e (このIDを非表示/違反報告)
♪clover♪ - 聖泉りかさん» ありがとうございます！では、楽しみに待ってます！！ (2016年2月20日 22時) (レス) id: b2a8be354e (このIDを非表示/違反報告)
聖泉りか(プロフ) - ♪clover♪さん» コメントありがとうございます。完結まで、短いようで長かったような気がしますw業sideの方は、続編という形で公開します。まだ公開はしていませんが、公開したらお知らせにて追記させていただきます。 (2016年2月20日 14時) (レス) id: d572bffb8b (このIDを非表示/違反報告)
聖泉りか(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます。暫く書き溜めて、だいたいの道筋ができたら公開しますので、お待ち頂けると嬉しいです。 (2016年2月20日 14時) (レス) id: d572bffb8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖泉りか | 作成日時：2016年1月27日 23時
