＃１０ ページ11
何故ここでするのか。
尋ねたって黒猫は答えてくれなかった。
取り敢えず力を返すだけなら一瞬で終わる為、一度力を黒猫に返す。
「この辺りに人はいないのよね？」
「もちろんさ」
念の為、黒猫に尋ねる。
力を返してしまった私には、辺りに人がいるかいないかなんてわからない。
妖しげに笑う黒猫を信用しきれないところはあるが、こんな所に人など来ないだろう。
それに、来る可能性のあるＥ組は今は授業中だ。
小さく溜息をついてから儀式を始めようとしたその時。
ガサッと背後から草木の不自然な音がして。
「あれ、君誰？」
聞こえたその声は、赤い髪を風で揺らした
「赤羽……業っ！！！」
私の苦手な目を持つ少年。
「何で俺の名前知ってんの？」
訝しげに私を見るその目に、軽く恐怖を覚える。
今の私の格好は本来の私のもの。
だから彼には私が幸宮綾だとはわからないだろう。
黒髪にカカオブラウンの瞳。
病的に白い肌。
誰が金髪で檸檬色の瞳の少女と同一人物だと思うだろうか。
……そんな事わかっているはずなのに、この姿を見られた事に恐怖しか感じなくて。
取り乱している自分がいた。
「っちょっと、どういう事よ！！
人はいないって言ったじゃない！！」
「…………」
「何か言いなさいよ！！」
何も喋らない悪魔に苛立ちだけが募る。
自分で自分の首を絞めていることにも気づかずに。
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本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 素敵な作品と出会えて良かったです( ´•̥ ̫ •̥` )いつかカルマside見れたら良いな！ (2023年2月1日 16時) (
レス) @page43 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
♪clover♪ - それから受験お疲れ様でした！ (2016年2月20日 22時) (レス) id: b2a8be354e (このIDを非表示/違反報告)
♪clover♪ - 聖泉りかさん» ありがとうございます！では、楽しみに待ってます！！ (2016年2月20日 22時) (レス) id: b2a8be354e (このIDを非表示/違反報告)
聖泉りか(プロフ) - ♪clover♪さん» コメントありがとうございます。完結まで、短いようで長かったような気がしますw業sideの方は、続編という形で公開します。まだ公開はしていませんが、公開したらお知らせにて追記させていただきます。 (2016年2月20日 14時) (レス) id: d572bffb8b (このIDを非表示/違反報告)
聖泉りか(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます。暫く書き溜めて、だいたいの道筋ができたら公開しますので、お待ち頂けると嬉しいです。 (2016年2月20日 14時) (レス) id: d572bffb8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖泉りか | 作成日時：2016年1月27日 23時
