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今日来たのは、つい最近オープンしたばかりのショッピングモールだった。
ここら辺では一番大きく、お客さんも沢山だ。
「ねえ、ほんっっとにバレないよね?」
予想以上の人の数に顔が青ざめる。
一方の業は、余裕の笑みを湛えている。
この違いは何なんだ、全く。
「さっきも言ったじゃん?
あの二人が特別なだけ」
「だから、何がどう特別なのかわかんない」
しつこく粘る私に、もういいだろうとあしらう。
納得いかないまま恨めしく見つめていると、あるお店が視界に入る。
「あっ、largoだー!」
カエデちゃんが私より先に声をあげる。
largo(ラルゴ)とは、今人気のアクセショップ。
お店の名前は音楽用語のlargoであり、幅広く、緩やかにという意味だ。
その意味通り商品の種類は幅広く、緩やかに商品を選んでもらいたいという事から来ていると、何時だったかニュースで見た。
「ねえ、largo行こうよ!」
一番テンションの上がっているカエデちゃんが笑顔で言う。
「でも、杉野君達を待たせるのは……」
「いや、俺らは大丈夫!!」
有希子ちゃんが不安そうに言うと、即答する杉野君。
好意剥き出しだよ。
そんな言葉は心に仕舞っておいて、男子から許可の出た私達はお店を覗くことにした。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年2月9日 2時