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それからは、もの凄い勢いだった。
業に抱きつくという大胆なことをしでかした為か、クラスのみんなが感じていた近寄りがたいという雰囲気は木っ端微塵に消し飛んでいた。
最も、一番に声をかけてくれたのは、
「雪乃ちゃん、これからよろしくね。
私茅野カエデ、カエデって呼んで?」
そう言って微笑むカエデちゃん。
他にも、潮田渚君や、杉野友人君、神崎有希子ちゃんなど、色んな人が来て私を歓迎してくれた。
一人一人と自己紹介をしている間に、殺せんせーはメモを用意。
一番ウキウキしている。
「そういえば雪乃って、最近デビューした歌手だったりする?」
中村莉桜ちゃんが、嬉々とした様子で聞いてきた。
正直、知っていたのには驚きだが、それ以上に嬉しく思う。
知名度が上がってきた証拠だし、何より目的通りに事が進んでいるのだ。
「だったりする……かな。
なんか恥ずかしいけど、E組にきたのもその関係だし」
「歌手だといけないの?」
「何か他の生徒の学習を妨げるんだってさ」
理事長が私に放った言葉だ。
お前はいらないと、いう言葉。
「まず、歌手っていうのが間違いなんじゃない?
昔は音痴だったんだから」
「そこっ!うるさいっっっ!!」
私は、昔から何一つ変わらない嫌味をニヤニヤしながら言ってくる業の口を両手でふさいだ。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年2月9日 2時