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「あのさー、業君やい。
君はいつまで笑っている気かな?」
「いや、だって赤面しながら友達だからって……。
すっげー笑える」
「笑わないでよ!忘れさせてよ!」
昨日のごとく、カエデちゃんと渚君と業と一緒に帰っている私は、先程の出来事を業にからかわれていた。
「そうだよ業くん!笑っちゃダメだよ!
雪乃ちゃんのレアショットだよ!?」
フォローしてるのかわからないフォローをするカエデちゃん。
その右手に握られているスマホには、
「ちょっ!?何時とったのそれ!」
赤面した私が写ってる写メ。
「茅野ちゃんいいの持ってるね。
俺にくれない?その写メ」
「いいよー?」
「よくないよね!?」
必死の抗議の虚しく、業の手元に渡ってしまったそれ。
「渚君、何とか言ってよ!」
「えっ、僕?」
「この写メとったの渚だよ?」
「裏切りおったな貴様ぁ!!」
「あっはは、渚君やるねー」
最後の望みだと思っていた人がまさか黒幕だとは思わなかった。
一頻り騒いでから、山を下りきる。
そこには一台の車が止まっており、それは私のよく知ったものだった。
「雪乃、急遽仕事が入りました。
今すぐ向かうので車に乗ってください」
車の窓を開け淡々とそう告げたのは、マネージャーだ。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年2月9日 2時