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私と業は、山を下りながら作戦を練る。
「…ねえ、2人とも本当にやるの?」
隣の渚君が不安そうに聞いてきた。
皆口に出さなかっただけで、色々心配な面があるらしい。
中には、一緒に楽しそうにしている人もいるが……。
『もちろん』
声をそろえて答えると、苦笑いを返された。
結局、本校舎に着くまでに考えた作戦はこうだ。
まず、私と業は付き合っている設定。
イチャイチャしながら手を繋いで見せびらかすようにして話す。
それを見たE組以外の輩は、必ずいちゃもんをつけてくる。
この時私の顔は見えないように業に隠れておく。
ここぞというときに顔を出して、あとはその場その場で対応していき、反応を楽しむ。
「ゲスい………」
「何かおっしゃいまして?杉野君」
「いや、何も……。
でもさ、顔を隠しておくって相当顔よくないと効果ないだろ?
雪乃は確かにいいと思うけど、それを使われるとなんだかな……」
「歌手は歌唱力だけじゃ話題性に欠けるし、生きてけない仕事よ」
「そんな事暴露すんなよ……」
そうこうしている間に、集会場所に着く。
ここからは、私と業は恋人同士だ。
「携帯準備した?」
「渚君に頼んだ」
「おどしたの間違いじゃない?」
顔には笑顔を貼り付けて、手を繋いで、そんな会話をする。
作戦スタートだ。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年2月9日 2時