#22 ページ23
二時間目から教室に戻った私は、英語担当の先生を見て固まった。
「………」
「雪乃〜、口くらい閉じたら?
汚いしはしたないよ」
業が嫌味を言ってきても、反応しないくらいには固まっている。
ちなみに、口なんかあいていない。
「イリーナ・イェラビッチ?
え、めっちゃ知ってるような気がするんですけど」
「私はアンタみたいなガキ知らないわよ」
「あ、すんません。
知ってる気がするのは名前だけです。
でも、明らかに私の気のせいですよね。
だってビッチとか、そんな人知ってるわけないですもん」
笑いを堪えながらいう私に、ビッチ先生は発狂する。
どうやら業のように挑発してしまったのがいけなかったらしい。
ガキって言われたくらいで、挑発しちゃう私もダメだなー……。
でも、ビッチだよ?
アメリカで暮らしていた私としてはヴィッチじゃ無くビッチって事についつい笑ってしまうよ。
業の話を聞くにも、もろビッチじゃん?
笑っちゃうのは私だけじゃ無いと思うんだよ、うん。
「ごめんねビッチ先生」
取り敢えず形だけ謝ると、少々唸ってから授業を再開したビッチ先生。
授業の内容までビッチを表していた。
それにしても、イリーナ・イェラビッチ……か………。
絶対どこかで聞いた事のある名前だと思うんだけどな。
結局悩んでいても答えは見つからなかった。
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作者名:聖泉りか | 作成日時:2015年2月9日 2時