【暗殺教室】心の奥に (ページ21)

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＃２０ページ21

「ごめんね、渚君。
わざわざ保健室までついてきてもらっちゃって……」

ベッドに腰掛けた私は渚君と向かいあう。

「そんな事気にしなくていいよ。
僕も心配だったからついてきただけだし」

微笑んでこちらを見ていて、ああ、ほんとに天使。

何て思ったりする。

「でも、本当に大丈夫？」

「ああ、大丈夫だよ。
これはただ電車で酔っただけだし」

私の言葉に衝撃を受ける渚君。

顔に思ったことが出てしまっている。

乗り物酔いでここまで酷くなったりするの！？ってところかな。

「でも、業君が雪乃ちゃんを担いできたときは何事かと思ったよ」

「あの担ぎ方がアイツの最大の優しさなんだよ。
本当に渚君を見習って欲しいとこだね」

思い出すだけでイラっとくる。

渚君は渚君で、僕を見習っても……何て言っている。

「君は、自分を過小評価しすぎだよ。
確かにE組の皆って凄く長所があるし、自分が劣って見えがちだけど…。
私にとって、君は眩しすぎるくらいに輝いてるんだから。
過大評価しすぎるくらいが丁度いいよ。
思ってることは口に出してかなきゃって……セリフがくさいか」

恥ずかしくてごまかすように笑った私に、最初こそ驚いていたけれど、

「ありがとう」

そう言って柔らかな笑を浮かべた。

「口に出す、か。
雪乃ちゃんは伝えないの？」

「何を？」

「業君の事、好きなんでしょ？」

「……へっ」

どうやら彼はとんでもない爆弾を落としていったようだ。