かき氷のシロップが少し足りない (ページ3)

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俺にできることページ3

財布忘れたかも！なんて言ったわりに帰ってくるの遅いって思ってカバンの中を一応確認した。

まあ幼馴染だしいいだろ…

渡辺「ふはっ、入ってんじゃねえか…。」

小学校の時にお揃いで買ったキーホルダーがついているあいつの財布は、しっかりカバンの中に入っていた。

渡辺「ったく、あいつ…。」

今頃教室の中でないない！って慌ててんだろな。

しゃーないから迎えに行ってやろ。

教室の前の廊下で立ち尽くすA

ん？

なにしてんだ？

渡辺「おい。A。」

『しょ、うた…。』

Aの瞳からは涙が溢れ出ていた。

教室からは照たちの笑い声が聞こえる。

なんか盗み聞きしたんだろな。

とりあえず平然を装わねえと。

渡辺「…っ、お前遅いなって思ったら…

財布カバン中に入ってたぞ(笑)」

『え？うそ！ごめん…。』

泣いていたこいつに何か言えるわけもなく。

渡辺「ほら、帰るぞ。」

手を引っ張ってこいつを連れて帰った。

『まって、翔太…。

買い物は？』

渡辺「何買うか忘れたからいい。

ふっかん家行くから。話はそれから。」

俺にできることはこれくらいしかねぇから。

ごめんな。