4話 ページ9
キヨ「あー、じゃあまぁ今日も送ってくわ」
「え！？大丈夫ですよ！1人で帰れます！」
キヨ「けど夜遅いし。女の子一人で帰す時間じゃないじゃん？その代わり歩きな、俺今日タクシー代持ってないから」
「キヨさん優し過ぎませんか？いちファンとしてちょっと心配になっちゃいます…」
そりゃ私は嬉しい。
大ファンのキヨさんとこんな形で知り合えて、優しくしてもらえるなんて。
だけどそんな素敵なキヨさんだからこそ、こんな優しさの押し売りみたいな事してて大丈夫なのかなって心配になってしまう。
キヨ「…別に、誰にでもこんなことしてる訳じゃねーし」
「え？」
キヨ「そういやさっきのサークルの先輩っつってたけど、サークル何やってんの？」
なんだかとんでもないような事を言われたような気がするが、聞き返す前にサラリと話を逸らされてしまった。
「あー、えっと…なんかオタクっぽくて恥ずかしいんですけど、映像クリエイティブっていう映像編集系のサークルで…」
キヨ「何それ、すげーじゃん！映像編集って俺がやってるみたいなカットしたり効果音入れたり字幕入れたり、そんなやつっしょ？」
「そうですそうです、簡単に言うとそういうやつです」
キヨ「へー、そんなサークルあるんだ。そういう技術持ってる人が増えたら俺らみたいな実況者も助かるわ」
俺の専属編集者になってくれよー、なんてキヨさんが言う。
そうなれたら死ぬほど嬉しい。
だって私が映像編集に興味を持ったのって、キヨさんの動画がきっかけだし…。
いやいや、何を真に受けてんだ私！
こんなのキヨさんの社交辞令だし。本気じゃないし。
「あ、ここで大丈夫です！送ってくださってありがとうございました」
キヨ「おー。つか三駅ってめっちゃ近いな。歩いても15分位じゃん」
「いや30分は歩いてましたけど…でも私もキヨさんと歩く30分はあっという間でした！」
家の近くまで来たところで頭を下げると、キヨさんはさっさと私に背を向け「またなー」と片手を振りながら来た道を引き返し歩いて行ってしまった。
…もう少し一緒にいたかったな、なんて。
キヨさんは迷惑に思うだろうし口には出せないけど、思うくらいならいいよね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結女(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。さんコメントありがとうございます！日替わり共々作品読んでくださり嬉しいです！早速裏ルートも更新スタートしましたので、引き続きよろしくお願いします(o^^o) (2019年1月21日 0時) (
レス) id: 360ec78ac9 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - (作者様の日替わりからこの小説を読み始めたのですが、どハマりして読ませて頂いていました。こんな素晴らしい作品に出逢えて本当によかったです！) (2019年1月20日 21時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - お疲れ様でした！裏ルートも楽しみです！連載待ってます！ (2019年1月20日 20時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
結女(プロフ) - 雪乃 空さん» 空さんコメントありがとうございます！作品を褒めていただけるなんてこれほど嬉しいことはありません！私の拙い文章でキュンキュンしていただけたなら感無量です><今後も頑張りますのでよろしくお願いします(o^^o)！ (2019年1月18日 7時) (レス) id: 360ec78ac9 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 空(プロフ) - タイトルで気になり、初めて結女さんの作品を読ませていただいたのですが、話がまとまっていて表現も的確でキュンキュンしました！これからも更新頑張って下さい！ (2019年1月17日 23時) (レス) id: bbddf0ce1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結女 | 作成日時：2018年11月17日 0時
