第192話 ページ10
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この広い園内探して、5分。
輝「あ!!」
輝のその声に振り向けば、これは…バットタイミング…?なのか、地面に倒れ込んだ忍に爽歌が覆い被さるような形で二人が倒れ込んでいるのを発見する。
…冷静に考えればそうだ。冷静に考えれば。
輝「お、お前ら一体何して…!」
わなわなと震えながらそういう、輝の言葉すらも耳に入らないくらいに私の心は動揺していた。
ドクドク…と、耳を覆いたくなるくらいうるさい程に心臓の音が鳴り響いていた。
冷静に………なんかなれない。
私は輝と爽歌を振り切り、忍の元へ寄り、忍の上へ跨る。
『あん、た……』
忍「お、おい…A…?」
そして、忍の胸元を掴み上げ、詰め寄った。
『なぁに…人の親友押し倒して襲いかかってんの…?』
傍から見れば、異様な光景であろう。
女が男の上へ跨り、胸ぐら掴みあげているんだから。
忍「バッ、お前どこ見てんだよ!?押し倒されてたのは俺の方…っ」
『爽歌があんたを襲ったっていうの?あるわけないでしょ!』
正直、今私は何がしたいのだろう。
よくわからない。
ただ、
『…なんで…』
ただ、怒り、嫉妬、悲しい、苦しい
そればかりが脳内を占めている。
『……なんで…?』
忍「え…?」
もう誰の声も聞こえないくらい、私は冷静じゃなくなっていた。
心臓が張り裂けそうなくらい痛い。
忍がちい姉と一緒にいたあの日くらい。
ううん、それよりもっと。
『……私のこと…もう好きじゃない……?』
「え、なにいって、」
『爽歌と浮気したくなるくらい……私とのデート…嫌だったの…?』
もう、忍の顔すら見えないほどに涙が溢れて止まらなかった。
自分勝手なこと聞いてるってわかってる。
でも、わかんない。
わかんないよ…。
付き合ったことも、デートなんてしたこともないから……。
「まっ、嫌がってたのはお前だろ!?」
忍のその声に下へ向けていた顔を上げる。
私が嫌がっていた…?
「俺とは今日全然話していないくせに、お前は輝や蒼の前ではへらへらと笑って…あいつらに泣きついてたじゃねーか…!」
忍、見てたの…?
でもそれは、嫌がってたわけじゃないんだよ。
「Wデートなんて言い出したのも本当は俺よりあいつらといたかったからじゃねーのか…?お前はやっぱり、俺よりもあいつらの方が……」
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わたたいLOVE(プロフ) - 続き楽しみに待たせていただきますね^_^ (2019年10月26日 19時) (レス) id: c070367bc2 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - 俺の愛は前野さんのためにあるさん» えっ、原作お読みになったことないのですか、、!?!それで読んでくださったのはとてもとても嬉しいです;;ぜひぜひ原作も、!続き頑張ります((・・*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
俺の愛は前野さんのためにある(プロフ) - 瀬成さん» 続き気になります!!ドキドキしながら読んでました。原作を読んだことがないので、最初はえっ?どうなるのと思ってましたが無実に結ばれて良かったです。 (2019年1月8日 18時) (レス) id: f58f846224 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - 藍色さん» ありがとう!!!!ガシャガシャしないように頑張るwwwwww (2018年6月25日 10時) (レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 続編おめでとうございます!とても楽しみにしておりました!トリプルデートどうなることやらwww更新楽しみにしてます! (2018年6月25日 10時) (レス) id: cd1c5a3e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬成 | 作成日時:2018年6月25日 0時