君が好き【好きです鈴木くん!!】Part5

第190話 ページ8

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あれから、しばらく輝たちと雑談しながら爽歌と忍の帰りを待った。



蒼「…にしても、遅くないか？」


『うん…』


もう10分になるかな…。


爽歌と忍の姿はなく、一向に戻ってくる気配を感じない。



輝「すみません、帽子かぶった三つ編みの女の子と背の高い黒髪の男みかけませんでしたか？高校生くらいなんですけど…」


同じく、不審に思った輝は近くを歩いていたスタッフさんにそう尋ねる。

と、「2人で15分くらいに外に出て行った」といわれる。


不思議に思って、スタッフさんの言葉に耳を傾ける。


「男の子が俺も浮気してやる！！とか叫んで強引に女の子を連れて行きましたけど……」


いっていいのか一瞬躊躇ったスタッフさんは、小さく口を開いてそういった。


いや、不穏すぎる…。

どういうことなの……。



他に仕事があるので、とその場を去っていたスタッフさんの背を暫く眺めた私は、輝たちに視線を向ける。



『えっと〜……？あはは……？』


ち「笑ってる場合じゃないわよ！」



視線をさ迷わせ、躊躇いがちに下からちい姉を覗いて頬を掻きながら乾いた笑いを漏らす私に、ちい姉からの喝が入る。



『だ、だって……』


ち「確かめなきゃわかんないでしょ！ほら、行くよ！」


『あ、ちょ、』



キョロキョロとして冷や汗を流す私をよそに、ちい姉は痺れを切らして私の腕を引っ張ってその場から走りだした。


ちい姉私より行動力ある……。




今そんなことちい姉に伝えたらきっと、ビンタされると思うからいわないけれど。



私はちい姉に腕をひかれ、心のどこかでやっぱり忍は私のこと好きじゃないのかな……なんて思ってる自分がいることを感じながら重い足取りで進んだ。



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