第169話 ページ28
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蒼side
勝った……。
それがわかった瞬間俺はちひろの名前を呼ぶ。
蒼「ちひろ!」
と同時にちひろを連れて試合会場を出た。
ち「あ、蒼…!どこいくの…?」
ちひろの声でハッとし、辺りを見渡す。
考えごとをしてた間に随分と歩いてしまったらしい。
蒼「よし、ここら辺でいっか」
そういって歩めていた足を止め、ちひろに振り返る
と、同時に自分の方へ引き寄せ抱きしめた。
ち「蒼!?」
驚いたちひろの声を他所に
蒼「俺ら、勝ったよ…」
自分でも、ちゃんと聞こえたかな……と思うくらい小さな声で、そう呟いた。
ち「うん……見てたよ…すごくかっこよかった」
蒼「っ…」
その言葉に顔が熱くなる。
そんな言葉いわれなれてるのに。
蒼「…俺がいった言葉覚えてる?」
ち「…っ、……うん…」
よかった……。
ほっとしたのも束の間、俺はちひろ真っ直ぐ見た。
伝えたい言葉がたくさんありすぎて何から伝えればいいのかわからなくなる。
蒼「…俺、馬鹿だからさ……気づくのにすげぇ時間かかっちまった」
一つ一つ、ゆっくりと言葉をこぼす。
もらすことなく。
蒼「…あの日……ちひろに別れを告げられた日……鈍器で頭をぶん殴られたみたいだった…。痛くて痛くて、どうしていいかわかんなかった…そんなとき、Aに相談したんだ。そしたら自分で気づけって怒られてさ…」
A……、いつもあいつには助けられてばかりだった。
そのおかげで気づくことができた。
蒼「考えて考えて、やっとわかった。 この気持ちは……中学の頃からお前に抱いていたもやもやしたこの気持ちは……好きという気持ちだってことに」
ち「…っ」
伝えると、心は案外軽くなる。
蒼「…もう迷わねえ……俺はお前が好きだ」
ずっと、伝えたかった言葉。
ち「…っ、遅いよ……バカ……!!」
ちひろはそういって抱きついてきた。
涙で声にならない言葉を必死に紡ぐ。
ち「…もう無理だと思ってた……もう、蒼は私には振り向いてくれないんだって」
蒼「うん…」
ち「でも、信じてたらいつか報われるんだね……」
蒼「うん…」
ち「…蒼……好き………ずっと、大好きだった……昔もこれからも……ずっと…」
必死に伝えてくれるちひろが愛しかった。
何度いっても足りないくらい、ずっとずっと
伝えていたい。
待たせたその分だけ。
ずっと、ずっと。
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瀬成(プロフ) - ルカさん» 期待_:(´ω`」∠):_応えられるように頑張りまする、、 (2018年4月30日 22時) (レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - 付き合いだしてからが本番!って感じですね!原作とは違うトリプルデート楽しみにしてます!! (2018年4月30日 22時) (レス) id: 7df7567350 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - 藍色さん» ありがてえぇwww忍は割と原作からテンションぶっ飛んでるから崩しやすいけど蒼くんはなかなかに難しくてな、、普段は輝忍の仲裁をしてるみたいな役やから(でも割と楽しいwありがとうw (2018年3月12日 15時) (レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 忍と蒼くんのテンションにめっちゃ笑ってしまったwww蒼ちひかなり推してるのでちひろちゃん愛されてるなぁ可愛い…って夢主置いて微笑ましい感じになってますwww更新待ってます!! (2018年3月12日 15時) (レス) id: cd1c5a3e61 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - ルカさん» ああああ励みになります;;;;その言葉が心の支えです、、すごく嬉しいです!ありがとうございます!<(_ _)> (2017年8月27日 22時) (レス) id: 1bec7597d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬成 | 作成日時:2017年6月5日 23時