第144話 ページ3
.
《１番線、電車が発車します》
近くで放送が聞こえた。
…！
待って…！忍がいっちゃう……！
走って、走って走って
ようやく見えた。
駅員さんは待ちなさい、と止めてくるがそんなのは気にせず私は改札口を飛び越える。
忍は…、
いた……！！！
驚いた顔をして私を見ている。
なんで……って、顔。
そんなことは今はどうでもいい。
『忍！』
伝えたいことはたくさんあるんだ。
『いっぱい助けてもらって、ごめん！ あんた優しいからいつもいつも自分のことは後回しにして、あんたを傷つけた私でさえもまた助けてくれた……本当にありがとう…！ それから、無理ばっかり、損ばっかりしてるお人好しだって、危なっかしくて放っとけないって、心配してくれてありがとう……！！』
そんなあんただからこそ私はあんたが……
顔を見ているだけで愛しくて、心がきゅってなる。
忍は私の顔を見て、口パクで
「もしかしてあの時起きてたのか？」って聞いてきた。
それに対して頷いたら、忍は般若のような形相で電車から飛び出そうとしていたから部員に止められていた。
危ないよ忍……。
電車は止まることなくそのまま出発してしまった。
『行っちゃった……』
緊張が解けたのか、力が抜けて座り込んでしまった。
「君、大丈夫？」
駅員さんが駆け寄ってきてそう聞いてきた。
「まいったな、女の子なのに随分無茶するね…驚いたよ。あんなに必死で走って追いかけて、さっきの彼のこと、よっぽど大好きなんだね」
その言葉に顔が赤くなるのを感じた。
『な、なんでわかるんですか…！？』
「えぇ！？ 逆にわからない人がいる方が珍しいよ！」
私の態度がそんなにわかりやすいのなら、なんで忍には伝わらないのかなぁ……。
でもまあ、
『そうですね、大好きです……。もう随分と片思いで、 何年経っても気持ちは色褪せてくれないようですから』
そういって私は微笑んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬成(プロフ) - ルカさん» 期待_:(´ω`」∠):_応えられるように頑張りまする、、 (2018年4月30日 22時) (
レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - 付き合いだしてからが本番！って感じですね！原作とは違うトリプルデート楽しみにしてます！！ (2018年4月30日 22時) (レス) id: 7df7567350 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - 藍色さん» ありがてえぇｗｗｗ忍は割と原作からテンションぶっ飛んでるから崩しやすいけど蒼くんはなかなかに難しくてな、、普段は輝忍の仲裁をしてるみたいな役やから(でも割と楽しいwありがとうw (2018年3月12日 15時) (レス) id: be0b6cc5ae (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 忍と蒼くんのテンションにめっちゃ笑ってしまったｗｗｗ蒼ちひかなり推してるのでちひろちゃん愛されてるなぁ可愛い…って夢主置いて微笑ましい感じになってますｗｗｗ更新待ってます！！ (2018年3月12日 15時) (レス) id: cd1c5a3e61 (このIDを非表示/違反報告)
瀬成(プロフ) - ルカさん» ああああ励みになります；；；；その言葉が心の支えです、、すごく嬉しいです！ありがとうございます！<(_ _)> (2017年8月27日 22時) (レス) id: 1bec7597d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬成 | 作成日時：2017年6月5日 23時
