君が好き【好きです鈴木くん!!】Part４

第159話 ページ18

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乾いた音を立て、爽歌が驚いたように私を見ていた。

掌がジンジンする。



だけど、それよりも



『爽歌は自分のことしか考えられないこだったの……？ ｢立ち直れない｣？ なにいってるの……？ あんた記憶失ってる間も輝と話したでしょ！？ 輝と一緒にいたでしょ！？ それなのにわからなかったの！？ どんな爽歌でも受け入れろうとしていたあいつが、あんたには見えなかったの！？』


わからなかったの……？

輝は、あんたのために涙流していつもいつもそれでも笑顔で向き合ってた……。

ツラいのはあんただけじゃないんだよ…。

『輝がいったい今までどんな気持ちで爽歌を待ってたと思ってるの…？ あんたの輝に対する思いはそんなものだったの……？ 一度間違いをおかしたらもう終わりなの…？ やり直しはきかないの…？そうじゃないよね……』


悲しくて、輝の気持ちを思うと、つらくてつらくて、関係のない言葉まで口走ってしまいそうになる。

お願い……止まって……。


『…輝は、本当は……私の初恋の人なの………それに気づいたのはつい最近…。 どうなりたいとかじゃなかったの。 あんたたち2人を見てたら知らないうちに諦めがついていたみたいだから。 なんか、胸に閉じ込めてたみたいなの。 気づいてからもどうしたいとかはなかったの。 ただ、あんたたちを応援したいって』


いってしまった。

傷つけちゃうってわかってる。

けど、私の口は止まってくれなかった。


『…なのに、爽歌がそんなんじゃ……私なんのために輝を諦めたの……？』


知らないうちに下がっていた顔を上げ、爽歌の胸元を掴む。


『自分のことばっかじゃないでしょ！！ 本当に輝に悪いと思ってるなら、後悔してるなら！ 一生かけてあんたが輝を幸せにしなよ…！！』


だんだんと、声が震えてくる。
泣いちゃだめ、そう思ってるのに。


『私じゃだめなんだ……他の誰でもない、あんたじゃないと…。この世であんたしか輝を幸せにできないの！！』


自分の意思に反して、頬に涙が伝う。


『…お願い……っ、どんなに小さくても私の大事な初恋の人なんだ……、ちゃんと幸せにしてあげてよ……っ……許さないよ…爽歌も輝も幸せにならなきゃ……私絶対に許さないから……！！』


大好きな爽歌と輝だからこそ幸せになってほしい。

ちゃんと、2人で。



『殴って、ごめんね…』


何故か涙が止まらなくて、私はその場から逃げるように去った。



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