君が好き【好きです鈴木くん!!】Part４

第156話 ページ15

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ち｢今日、用事があったの忘れてた……。Aに今度なにかお礼しなくちゃ……｣


ふと窓の外を見ると雪が降っていた。
もうそんな季節か……。


そんなことを思っていると、突然玄関のチャイムがなった。


ち｢はーい、今でまーす！｣


玄関を開けてみるとそこには、息を切らした蒼が立っていた。


ち｢あ、蒼！？なんで……｣

蒼｢ちひろ！ お前に伝えたいことがあってきた！｣


蒼は必死に言葉を紡ぐように口を開いた。


蒼｢…気づくのに随分と時間かかっちまった。ずっと、長い間俺を想ってくれてたお前を何度も傷つけた。それなのにこんなこというのはおかしいと思う……だけど、俺はそれでも！お前が俺のことをもう好きでなくても！！俺はお前を追いかける！お前を何度だって振り向かせる！何年だって待ってやる！｣


え……

蒼の言葉に、いつもは聞こえない雪の降る音でさえ煩わしく感じる。
一つ一つもらさないようにしっかりと聞く。


蒼｢今度の大会、開城とぶつかる。その試合に勝ったら──｣


蒼はニッと笑った。
見たことがなかった。こういう風に楽しそうに笑う蒼は。


蒼｢今度は俺がお前に告白する…！！｣


その言葉に視界が歪む。


蒼｢覚悟しとけよ！｣


それだけいって、蒼は帰っていった。


一生ないと思ってた。
もうあるはずがないと思ってた。

あんなに傷つけておいて、どうして……。


ち｢……ふっ…ぁ…っ……｣


私は玄関なのを気にせず座り込んでしばらく泣いていた。









それぞれの恋を託して





運命の賭が始まる。



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