君が好き【好きです鈴木くん!!】Part４

第154話 ページ13

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｢わー、外雪降ってきたねー｣


わ、ほんとだ。積もるかな。


雪、それが降る季節になるといつも思い出す。
あの日のこと。

本当は追いかけていきたかった。
泣いてる忍を離したくなかった。

この季節になるとあいつの涙を思い出して胸が締め付けられる。


でも、嫌いじゃない。
プライドの高いあいつが涙を見せてくれた季節でもあるから。


『はぁ……』

｢どうしたの？ A｣

『あ、ううん、なんでもない！』


だめだめ。仕事中にため息なんて。

忍と会ってなくてもう結構経つ。
毎日溜息吐いてばかり。

自分から突き放したのにのこのこと会いになんていけない。


どうしたらいいんだろう……。


そんなこと考えてたらお客さんがきた。
いけない、お仕事中だった。



『いらっしゃいませ！ ご注文はなにに──』

｢お前｣


突然遮られるように、そういわれた。


『え？ あ、えっと、当店にはそのような品物は取り扱っておらず……』


忍｢知ってるわバカ。注文はお前だっていってんだよ！ 伊藤A！！｣



勢いよくツッコまれた。
……というか、えっと…？


目の前にいるこの人物は？よく知った顔だね。

今の今まで考えてたあの人物だね。


しかも頭ぶっ飛んだこといってるね。
ここにくる前に打ったのかな。


ていうか忍がそんな都合のいいこという訳ないよね。
あっ、そっか、忍のこと考えすぎてついに幻を見たのか！！

私そろそろやばいかもしれないな……帰ったら病院に行こ…。


『……にしても、よくできた幻だねぇ……』


そう思って、幻の忍の顔をぺたぺたと触る。




忍｢…おい｣



『本物！？！？！？』



忍｢ほかになにがある！！｣



ヒェッ！
びっくりしたびっくりしたびっくりした……。

思わず叫んでしまいそうだった……。
よく頑張った、私よ……。



というか、なんで忍がここにいるの！？！？
いや、ここはワックだからいてもおかしくはないんだけど、けど、びっくりした。





忍｢…お前に、話があってきた……｣




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