君が好き【好きです鈴木くん!!】Part４

第153話 ページ12

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忍side



…雪、か。

冬になるとどうしてもあの日を思い出しちまう。


俺はもう随分と前から、自分でも気づかないうちにこんなにもあいつのこと……。


だからあの日、あいつが開城へ行かないといったことに対してなんともいえない気持ちになったのか。



逃げだしたい、連れ去りたい、泣きたい



そんな気持ちが一気に押し寄せてしまい、あの日俺は泣いてしまった。



今思い出しても情けねえ…。



隣で女がなにかいってるがあまり耳には入らなかった。

今の俺の頭にはあいつのことしかない。


どうやって許してもらえば……
というか俺なにもやってねえ……
寧ろ謝るのは狸寝入りしたあいつの方で……



って、


忍｢あああ！！もうめんどくせえ！！｣


｢し、忍！？｣



こうやって、それなりに好みの女とそれなりに楽しんで生きていけばあの日知った深い悲しみは忘れられると、そう思っていた。


けど、


知ってしまった




本当に望むものは───…




忍｢輝と蒼(アイツら)ならきっと…グダグダ悩んだりしねぇんだろうな｣



もう、どれだけ悩んでも辿り着く場所はそこしかねぇ。


忍｢わりィ、俺たちもうこーいうの終わりにしようぜ｣


｢え…っ、なんで！？ 私なんか気に触ることした！？｣


忍｢いや……お前はいい女だよ。胸でけーし、キスうめーし、胸でけーし｣


胸でけーし。


忍｢だから、俺みてぇに４年も自分の気持ちに気づかず傷つけてた女がいたってことに最近気づいて、挙句の果てに振られて未練タラタラでどうしていいかわかんねぇでうだうだやってるダセぇ男はもったいねー。他にもっといい男みつけて幸せになれよ！！｣



なにいってんだ俺。まあいいか。
なんかスッキリしたし。


後ろでなんかいってる気がしたけどそれよりもはやくあいつに会いてぇ……その一心で俺は走った。



もしかしたらもう、好きじゃねぇかもしれねえ。


けど、



振られるのが怖くて男がやってられるか。


あいつは、一人でずっと……。


それを考えるだけで胸がぎゅっとなった。









もう



逃げるのはやめだ




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