黒に染まる４【ハイキュー】【マフィアパロ】

諸刃 ページ28

「誰だ…お前、」


「Aちゃん、

頭おかしくなっちゃったの…？」




イタチの頭に疑問符が浮かぶ。




『ふふふ！』




にこやかな笑顔のまま



では！といって立ち上がり、



茶髪の横を通り過ぎる。



ついでに銃も奪おうか。



そんな自然な流れのまま



その場を立ち去った。






イタチが錯覚を起こすほど



自然に。









「…あれ？」





「…アイツ、どこいった」







はたと気付く



Aが、いない







「あー！逃げられた！！」





「…っ！急げ、追うぞ」







気付けなかった、あまりにも自然で。



恐ろしい程の演技力。



あいつは、何者だ、？









，









，









山を駆け下りる、


必死に、


地面を蹴った。









『……！』









だめだ、









ぷつん、頭の中で音が鳴る。






『はぁ…！はぁっ…！』






瞬間、息が切れ




足が鉛のように重くなった。






『…っは、！』






今足を進めれば


間違いなく転がり落ちるだろう。






動かない体を叩き起して


なんとか近くの岩場に身を隠す。






私の演技は、諸刃の剣だ。


一瞬、別人のような姿を見せるが


集中力が切れると


回復までに時間がかかる。





そして





体への負担が、異常に大きい。

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