黒に染まる４【ハイキュー】【マフィアパロ】

また、 ページ18

ASide




そうだった



ここに、イタチのアジトである



この山に来たということは



この人も



同業者、マフィアだ




「どうした？」




そしてこの人は今


私をイタチの一人だと思い込んでいる




ならば




『い、いえ……聖臣に、何か用でしょうか』




たしか、黒髪の方は聖臣という名前だったはず…




「あぁ、」




よかった、このまま行けそうだ



『すみません、


聖臣は任務で外しておりまして…』




これで諦めてくれ…！と



恐る恐る顔色を伺うが、



無表情のままだ



まずったかもしれな…




「そうか、」




『…！』




「また後日伺うと、佐久早に伝えておいてくれ」




『かしこまりました…』




こちらにくるりと背を向けて歩いていく背中を見つめた




『はぁ…』




思わずため息をついてしまう


あの人と話すと無駄に緊張するな…


目を閉じて深呼吸をしようと


深く息を吐いたとき




「そうだ、名前を聞いていなかった」



『…！？』




さっきの人が音もなく再び目の前に現れた



驚きつつも冷静を装う




『名前、ですか…』



「あぁ、失礼でなければ貴方の名前を知りたい」



『…Aです、』



「Aか、良い響きだ」



と、目を閉じてふわりと微笑んだ


驚いた、この人こんなに優しい顔ができるんだ…




「俺は牛島若利だ、また会おうA」




『は、はい』




スッとまた真顔に戻って



牛島さんは踵を返していった






(…不思議な人だな)

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