すき。なトコ・・ゆって？(tkxin)すき。シリーズ(５)

＝やだぁ・２＝ ページ22

「け、慧＿＿＿＿？？」



慧の部屋の窓が開いていて

暗がりの中慧がジッとこちらを見ていた。



慧は下唇を噛んで

しくしく泣きながら

「ゆう・やぁ・・。」

と、子供の様に泣きながら

オレの名を呼んだ。




・・小さい頃から変わんねぇーな、慧は。




「慧、どーした？いつからそこで
　ジッと見てたんだよ。呼べって。」



「ん〜〜〜。」

ポロポロと涙を零して

慧は目をゴシゴシ拭いながら泣いている。




「けーい。
　なぁ、そっち行っていいか？」



そう声を掛けると

慧は髪の毛をフワフワと揺らし

首を振っていやいやをする。





・・やっぱ、まだ・・

怒ってんのかな・・慧。





ひっく。ひっく。と可愛い泣き声で

慧が途切れ途切れに話す。




「ゆうやぁ・・。
　おれね、ゆうやのコト・・すきぃ。
　でも、でもね・・はだか見られて
　はずかしくってね・・んっと・・
　さっきぷんぷんしちゃった・の・・。」





「けーい・・？」



「ゆうや・・おれのコト、やになった？
　めんどくさいって・・思った？」




オレは窓から飛び出る勢いで顔を出して

「慧っっ。やになるワケねぇーだろっ。
　なぁ、オレが、どんだけ慧の事好きだと
　思ってんだよっっ。あなどるなよなっ。慧。」




「ほんとぉ・・？」


「ああっ。」




慧はもじもじして、

涙を拭いながら

「えっと・・
　ゆうや・・そっち行って・・いい？」





オレは面食らいながら

「あぁ。こっち来いよ・・慧。」


って、我ながらのイイ声で言った。

イケボね。イケボ。





慧はぴょこっと窓に乗って

ぴょんっと渡って、

オレの部屋の窓に乗って

窓からオレの腕の中に飛び込んできた。





「ゆうやぁ・・。」

と、慧はオレをぎゅぅぅっと抱き締める。





オレは慧を包み込む様に抱き締めて

「慧、一人で泣くなよ。一人で涙拭うな。
　涙はオレが拭ってやるから。な？・・慧。」




慧はオレを見上げて

また、ポロリと涙を零す。





慧の柔らかな頬を両手で包み込んで

涙を拭って、軽く唇にチュッとキスを置いた。



ゆっくりと瞬きをして

「ゆ・うやぁ・・すき。だいすきぃ。
　ゆうやがね、愛しくて恋しくて
　気持ちがあふれてくるの＿＿＿。
　どうしたらいいのか・・わかんないの。
　ゆうやぁ・・はなさないで、ねぇ・・
　そばに居て・・。ねぇ、ゆうや・・。」

＝やだぁ・３＝→←おまけ・・の後で・・。　＝やだぁ・１＝

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