すき。・・どんなおれもすき？(tkxin)すき。シリーズ(７)

＝可愛い、可愛い。２１＝ ページ21

「あれぇ、雄也パパ、いないー。
　帰って来たって言ってたのにー・・
　会いたかったぁー。むぅー。」


「夜には帰ってくんじゃね？
　つーか、何でそんなオレの親父に
　会いてーの、慧は？」


「んー。だって、カッコいいしー
　優しいしー。・・すき。」


「ちょっ。慧っっ！！
　オレだって、カッコいいし、優しいべっ？！」


「ん。そーらけどー。
　慧、雄也パパに・・この格好見てほしかったな〜。」


「いやいやいや〜〜、けーいー。
　それは、ダメだろ〜。俺、ヤキモチ焼くしさー。
　なぁ、慧がそんな事言うならさ〜〜」


「なーに？」


「なんちゅーの。
　・・オレが慧の親父さんに会いてー、
　好きって言ったら・・慧は、どーよ？」


「ん〜。いいけろ〜、べつにー。」


「あっ。違ったっ。親父さんじゃなくって
　お袋さんは？？」


「ん〜〜、母さん・・。
　でも雄也が慧の家族好きなの、嬉しーもん。」


「あー。まぁ家族の好きね・・。」


「ぅん、そーぅ。」


「あ、じゃあ、慧」


「なーに。」


「はるなさんは？
　オレがはるなさんに会いてーは？？」





慧が急に口をんっ。ってさせて

手をグーッと踏ん張って

「だめっ。だめぇ。・・雄也だめっ。」


「えー。だって家族の好きだろ？」




「だめだもんっ。すき。だめっ。
　んぅ――――。」





あっ。ヤベェ。慧が泣く＿＿＿＿。




オレは慌てて話題を替え様として

ダイニングのテーブルを見つめた。


「あっ＿＿。慧、なぁ、なぁ。」




「んー。なぁにぃ・・。」

拗ねた様な声を出す慧を見つめて



「なぁ、慧。
　・・今日、親父帰って来ねぇーって＿＿。」


「・・んと・・そぅなの？」

慧は首を傾げてダイニングテーブルに近付き

「あ、雄也パパから、お手紙だ。なーに？」




話しをすり替えるのに成功したのか

慧はまたオレの腕にあるはずのない胸を

押し付け手紙を見る。


「おんせ・ん・・？」




「ああ。親父とお袋、たまの休みが合ったから
　急だけど、温泉行くってさ＿＿＿。」


「わぁ〜。おんせん〜〜。
　いいなぁ。慧も、行きた〜い。」



＿＿＿貸し切り温泉の・・慧＿＿＿＿




・・・いつか実行してーな。マジで。

鼻血出そうだ・・。ヤベー。




っと、親父が居ない。お袋も居ない。


この家には、オレと可愛い慧だけ＿＿＿。



モンモン、ムラムラした狼と・・

甘々、ぷりっとした子羊だけ＿＿＿＿。



「ゲへへ・・。」

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