好き、好き、大好き2 (ページ21)

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放課後

海「ごめん。Aちゃん
ちょっと呼び出しくらっちゃってさ、ちょっと待っててくれる？」

A「うん。いいよ」

あっという間に、教室は私1人
夕日も差してきた

廊下に出ると

A「佑亮」

窓の外を覗く佑亮の姿

佑亮「あ、A」

A「何してるの？」

佑亮「体育の補習中の美咲ちゃん見てる」

少し笑みを溢す佑亮

A「ほんとだ、美咲頑張ってる」

佑亮「ときどきドジしてるけど」

A「よくドジするよね～」

佑亮「そこが可愛いんだけど」

目を伏せる佑亮

嫌な予感が頭を過ぎる

震える声で絞り出したのは

A「佑亮の好きな子って…」

佑亮「え！わかる！？美咲ちゃんって…」

佑亮が顔を腕で覆った

佑亮「もー、分かりやすいかな僕…」

A「…いつから？」

佑亮「同じクラスになってからさ、Aの友達だって思って話してたら仲良くなって」

A「うん」

佑亮「それで、美咲ちゃんの優しい所とか、色々知ってくうちに
好き…になってた」

結局、私の入る隙なんてなかったんだ。
佑亮は美咲のこと好きじゃないって、何で決めつけたんだろう
本当に惨めだ

A「そっか…」

佑亮「秘密だよ？」

秘密って、嬉しくない

A「わかってるよ。応援してるぞー！佑亮！！」

バシンっと背中を叩く

佑亮「った！ありがと。
Aも応援してるからね」

A「うん」

佑亮がまた、頭をポンポンと叩く

佑亮「じゃ、僕教室に戻るね」

A「うん。バイバイ」

私も教室に戻る
1人で静かに席につくと同時に
なにかのスイッチが入ったように
涙が落ちた

A「…」

海「Aちゃん、おまたせ…
え？どうしたの？」

やだ、来ないで

海「え？泣いてる？」

A「っ」

海「今度はどうしたの？」

優しい声がじんわりと目頭を
熱くする

A「佑亮、」

海「うん」

A「っ佑亮…」

海「落ち着いて」

しゃくりが言葉を遮る

A「美咲好きって…」

海「うん」

A「海君…知ってた？」

海「うん」

A「なんで、応援するなんて言ったの…」

八つ当たりだ、海君悪くないのに

A「ごめっ…海く…」

海「Aちゃんが、傷つけばいいって思った」