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ずっと走って、気がつけばいつもの帰り道を辿っていた。昨日までなら、善逸とくだらないことを話しながら二人で帰っていたけれど。
追いかけてほしいのが五割、ほっといてほしいのが五割。
「好きだよ、善逸……」
ぽつりと出た独り言は、だれにも届くことなく消え去る。耳のいい彼に聞こえてならいいなとか、都合のいいことを考えてしまう。気付かぬ間に、こんなにも彼を想うようになっていたなんて。
「ごめん」
今はただ、それしか言うことが見当たらなくて。
「あ、やっぱりここにいた」
「善逸……」
追いかけてくれたことも、毎日好きだよって言ってくれることも、私に優しくしてくれることも、
「Aちゃんから悲しい音がする」
「話しかけないでって言った」
「俺のことで泣かせちゃうのは嫌だな」
意地っ張りな私。本当はたくさん話して、笑いあって、一緒にいたいのに。
「ほんとに……っ、そういうのだめなの!」
「……ねぇ、まだわかんないの?」
ため息をついたと思ったら、急に手首を掴まれて壁に押し付けられた。所謂“壁ドン”ってヤツ。
「なに……」
「俺、本気なんだけど」
「っ、」
本気、ってことは好きが本当なわけで、好きが本当ってことは私のことが好きってことで。
「好きだよ」
それは、両想いだよってこと。
「俺じゃだめ?」
吐息がかかって擽ったいけど、今はそれ以上に近すぎて恥ずかしいのが勝る。
「……だめじゃ、ない」
「聞こえない」
「善逸が好きなの!」
「えへ、やっと直接言ってくれた」
嬉しそうにはにかみながら笑う善逸は、いつもよりカッコよく見えた。
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作者 - マリイさん» そう言っていただけると嬉しいです! ヤンデレって種類いっぱいあるし人によって程度とか違うから奥が深い……! (2022年10月27日 18時) (レス) id: 614d6106dd (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ありがとうございます善逸カッコイイ 依存型と独占型も良いですね (2022年10月27日 16時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - リクエストで夢主が善逸に崇拝型のヤンデレお願いします (2022年10月26日 19時) (レス) @page2 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年10月26日 16時