■ ページ9
上司…、しかも"推し"に叱られることになるなんて……
悲しきかな覚悟を決めて説教でも厳罰でもドンと来いっと目をつぶって待ち構えていると何も起きないどころか、パタンと本の閉じる音がフロントに響いた。顔を上げると特に何も言われず
｢……ほうか｣
と、その言葉と共にスっと入港記録を差し出され急いで受け取った。
『他かのご用件は』
｢ない｣
『そう、…ですか』
マントを翻し、戻るのかと思っていたら立ち止まった彼に戸惑いつつ平静を装っていると
｢いつもこの時間帯なんか｣
『あー…』
キョロっと周りを見た渡して誰に聞いているんだと探すが見当たらない。
『私、ですか？』
｢貴様以外に誰か"居るんか"｣
いや、"居たら"怖すぎでしょ。
『いえ、居りません。私の勤務時間は20時から5時までです』
｢…邪魔した｣
そういうと今度こそサカズキは暗がりの廊下を進んでいった。そんな背中を見つめ、見えなくなった頃には私は悲しみに暮れていた。
お、推しに嫌われ……、
ビャッと心の涙が溢れた。
態々私の勤務時間を聞いたということは、私がいない昼勤の受付嬢がいる時に来るようにするって意味でしょ……っ
推しのキューピットになる前に嫌われたら何も出来ない、というかそもそも会えた奇跡に自らドブをぶっかけたようなものではないか
いっそ"幽霊"にでも相談したいくらいだ
その後の勤務中はさっきのショックでわらび餅を頬ばりつつ気を紛らわしながら時を過ごし、帰宅した。
わらび餅のバカヤロウ
糖分不足
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あゆ(プロフ) - サカズキさん推しなので凄く嬉しいです。サカズキさんはあまり人気がなく小説も殆どが更新停止が多いので貴方様の小説を見つけた時はすごく嬉しくて毎日最低一回は読ませてもらってます。ずっとずっと応援してます。ゆっくりでいいのでこれからも更新頑張ってください！ (2021年1月25日 15時) (
レス) id: e50713e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
Marubox(プロフ) - あゆみさん» コメントありがとうございます。空いた期間がある中、待って頂けているなんて嬉しいです!!!神出鬼没の不定期更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2021年1月12日 22時) (レス) id: db25b1c069 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ - 更新をずっと待っていました！！Maruboxさんの小説大好きです。これからも更新頑張ってください、応援しています！ (2021年1月12日 1時) (レス) id: b1aca0bc48 (このIDを非表示/違反報告)
Marubox(プロフ) - リリアさん» コメントありがとうございます。私の作品を癒しにして頂けるとは！テストですか、ほほぅ……You belong to me.の方でリク頂ければご褒美になるかは分かりませんが宜しければどうぞ！更新もちまちま頑張ります！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: db25b1c069 (このIDを非表示/違反報告)
リリア(プロフ) - あーー！！更新をずっと待っていました！！テストが近くてどうにか癒しが欲しい時に来たこの更新、嬉しすぎて叫び出しそうです！！これからも更新頑張ってください！！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Marubox | 作者ホームページ：https://twitter.com/maru_kibun
作成日時：2020年7月27日 14時
