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「何やねん、お前。そんなムキになって……何かあったん？」
永瀬はそう言って無造作にわたしのベッドに飛び移って
となりに座ってこちらの顔を覗いてくる。
ホテルの部屋の照明はみんながいなくなってから永瀬が来るまでに
いちばん控えめに設定を変えていたから、
仄暗いなかで色素の薄い灰茶の瞳だけが淡い光を反射していた。
「昔、死んじゃったんだ……わたしの、友だち。屋上から飛び降りて。
となりの家に住んでる幼馴染で、何をするにもずっといっしょだったのに、
死のうとしてることとか、全然わからなかった」
「そう、なんや……」
永瀬は哀しそうに、困ったように眉毛を下げた。
「そのひとが死んだのは、たぶんわたしのせいなんだ。
わたしが天国はすごく素敵なところだって言ったから、死んじゃったんだ」
「……それは、ちゃうやろ。飛び降りるって選択をしたのは、
そいつの決めたことやし……でも、命を粗末にするとかサイテ…」
「そんなこと言わないで！」
わたし自身だって、紫耀に生きていてほしかったし、
紫耀の「最高のしあわせ」が小学6年生で終わってしまったという結末に
納得できるわけなんて、なかったけれど。
どんな理由でも、紫耀のことを「サイテー」なんて言わないでほしかった。
だって、紫耀はいつでもやさしくて、思いやりがあって「サイコー」のひとだったから。
永瀬だって、本当は紫耀のこと好きなくせに。
「……なぁ、もしかして、お前の好きなヤツってそいつなん？」
泣きそうなくらい眉毛をへの字型にして、狂った距離間でこちらを覗き込んでくる永瀬。
「……そうだよ」
「アホやろ、死んでもうたヤツは戻ってこうへんのやで！
哀しいことやけどそいつは自分で死ぬことを選んで、
もうおらんのやから、自分の中で区切りつけて忘れんと」
「……永瀬には、関係ないじゃん」
本当は、図星をつかれて苦しかった。
ちゃんと今と向き合えないでいる自分を言い当てられてしまったから。
それなのに、出てきたのはまた彼のことまでも突き放すような言葉で。
「関係あるわ！そいつは死んでも、お前は……Aはまだ生きていくんやで。
俺は、今のAのことが好き。……友だちとしてやなくて」
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夜木(プロフ) - いむさん» ご丁寧にありがとうございますw一気読みお疲れさまでした！珍しくあまりボケずに書いたので気に入って頂けて良かったです( ;∀;)(by生きてる紫耀くんメインが完結しない平野担) (2020年11月17日 22時) (
レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
いむ(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。一気読みして大号泣しました。物語でこんなに泣いたのは初めてだと思います。それくらい、心に響く作品でした。ありがとうございました！ (2020年11月17日 2時) (レス) id: 1eeed365fd (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - れおさん» れおさん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです！！！ (2020年6月13日 13時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - コメント失礼します。めちゃ涙腺崩壊でした。紫耀くんが優しさの塊で…切なさもありつつ、感動もあって最高でした！！何回も読み直してます笑 (2020年6月13日 9時) (レス) id: ad2f82eb65 (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - HARUさん» HARUさん、ありがとうございます！コメントとても嬉しいです！途中かなり放置してしまったのに最後までお付き合いいただき幸甚の至りでございます。笑 HARUさんのヤンデレ海ちゃん、楽しみにしております！無理なさらず頑張ってください(*^^*) (2020年5月27日 12時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜木 | 作成日時：2020年4月1日 1時
