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会計を済ませてその場を離れた佐久間。
次の人の会計をしながらも、どうしても気になってチラっとその背中を見てたら、佐久間がもう一度こっちを向いてドキッとする。
「__ありがとうございました!」
お客さんにお礼を言って見送れば、それと同時に佐久間が小さなメモ書きを台の上に置いて「"仕事しろ"」と口パクで言ってから、舌をべーと出して店を出て行ったから、残された私は唖然とするばかりだ。
なに最後のべーって。
「か、可愛いっ…」
て、メモなんだろう?
落ち着かせるために咳払いしてから佐久間が置いていったメモを見ると、そこにはメッセージアプリのIDが書いてあった。
そういえばいつもあの公園に行けばだいたい佐久間は居たから、連絡先を聞いてなかったんだった。
「うふふ」
やった!嬉しい!
やる気の出ない仕事も、これでモチベーションが上がった。
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「えっとここかな?」
ガラッと扉を開けたら「いらっしゃいませー!」と威勢のいい声にビクッとなった。
キョロキョロとそんなに広くはない店内を見ていれば店員さんが近寄ってきたけど、その前に目的の人を見つけた。
「あ、連れが居ます」
頭を下げて"連れ"の元へ行けば、既に一杯やっている佐久間が「おつかれ〜」と手を振ってくる。
「おつかれさま。て、ほんと驚いたんだけど」
「いやそれは佐久間もだけどね。まさかもう一つバイトしてるなんて知らんかったわ」
「聞かれてないもん」
メニューを前に置かれたけど、メニューよりも佐久間が気になってチラチラと見てたら目が合った。
「なに?」
「なんか新鮮。ジャージしか見たことなかったから」
「だねえ。つうか見てないで、選びなって」
そして心無しかいつもより素っ気ない気もする。
言われた通り先に注文を済ませた。
「………」
「………」
「ククッ、なんか大人しいじゃん。いつもみたいにガンガン質問されるかと思ってたのに」
「だって、なんか雰囲気違うから」
「なあに、佐久間さん素敵だな〜って?」
ゴクッとお酒を呑んで、白い頬がほんのり染まってて色っぽい。
そんな顔でニヤリと笑われたらドキドキが加速するばかりだ。
「……うん」
ちょっと自分から言っておいて、素直に頷いたら目を見開いて固まるってどういうこと?
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ゆきんこ(プロフ) - ゆんさん» ゆん様、こちらにもコメント有難うございます!とっても嬉しいです(^-^)私が好きな彼を妄想して書かせてもらってますので、それで気に入って下さると本当に嬉しいです!おまげで、しっかり読んでもらえて幸せです☆有難うございました(o^-^) (2021年4月16日 21時) (レス) id: 4eb798e005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 続けてコメント失礼します...!作者様が作り出す桃さんが本当に素敵で、読んでいてずっと胸がぎゅっとなってました。ハラハラもしましたが、最後ちゃんと幸せを掴めて良かったです(;_;)あと最後のおまけでまた泣きました(笑) (2021年4月16日 21時) (レス) id: 9b672a5393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - せいなさん» せいな様、その初めてを私に下さり有難うございます!嬉しいです!泣いてくださるほど感情に入り込めた事更に嬉しい。こちらこそ見つけて下さり、そして読んで下さり、コメント下さり有難うございました(^^) (2021年4月8日 8時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 初めまして。感想なんてはじめて書きます。笑こんなに泣いた小説ははじめてでした。すっごい感動しました。素敵な作品を作っていただき、ありがとうございます。この作品大好きです。 (2021年4月8日 0時) (レス) id: 6e9aa29fb4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - 雪の王子様さん» こちらにも有難うございます!お付き合いしてると錯覚してもらえるなんて、凄い褒め言葉です!嬉しい(泣)素敵なコメントほんとに有難うございました! (2020年10月7日 13時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆきんこ☆ | 作成日時:2020年9月11日 12時