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「本当はねー、ダンサーになりたかったし、その為に色々頑張ってたけど……ダメだったんだよね」
「そうなんだ…」
「でも踊ることを辞めようとは思わなくて」
「なんで?」
俺にとってダンスはアニメと同じくらい大切なもので、夢中になって踊っていれば嫌なことも忘れて現実に向き合わなくて済む。
「好き、だからに決まってんじゃん」
好きなものに夢中になれるこの時間は、俺にとっては無くてはならないものだから。
ねえ、Aは?
Aは何が好きなの?なんて聞こうかなって思って口を開きかけたら、
「……私も、好き」
「……………」
_______え?
まっすぐ俺を見上げる瞳。
迷いなく俺をその視界に捕らえてる。
「私、佐久間が好きだな」
ヘラっと冗談めかして言うその言葉に、俺の心はドクンッと跳ね上がった。
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それからというものAは所構わず"好き"だって言う。
「ねえ佐久間、今日家に行っていい?」
「女の子が簡単に男の家に来るって言っちゃダメでやんすよ!」
「だって好きなんだもーん」
ほらまた言った。
「佐久間さんは、二次元にしか興味がないんだぞ」
「くそ!アニメに負けてる!」
「女の子がクソとか言わなーいの」
「ふん!」
にゃはは、こうして直ぐにしょげるのか可愛いよねー。
「佐久間の作ったオムライス食べたい」
「Aの作った下手くそなお握り食べたいでやんす」
「え、じゃあ家に行っていい?」
あ、しまった。
たまに作って貰ってきてくれる形が悪いけど、塩味のきいたお握りが佐久間は意外と好きで、ついつい食べたいなんて行っちゃったじゃん。
そしたらほら、このしてやったりな顔さ。
あーもうマジ可愛いわ。
「泊めないからな!」
「それはどうかな?」
「こら! だったらダメ!」
「帰ります!帰るから入れて〜」
「だったら良し!」
こうして毎回駆け引きするの。
なんだろうね、俺たちって。
でもこの関係が居心地良いって言ったらAは許してくれるかな?
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ゆきんこ(プロフ) - ゆんさん» ゆん様、こちらにもコメント有難うございます!とっても嬉しいです(^-^)私が好きな彼を妄想して書かせてもらってますので、それで気に入って下さると本当に嬉しいです!おまげで、しっかり読んでもらえて幸せです☆有難うございました(o^-^) (2021年4月16日 21時) (レス) id: 4eb798e005 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 続けてコメント失礼します...!作者様が作り出す桃さんが本当に素敵で、読んでいてずっと胸がぎゅっとなってました。ハラハラもしましたが、最後ちゃんと幸せを掴めて良かったです(;_;)あと最後のおまけでまた泣きました(笑) (2021年4月16日 21時) (レス) id: 9b672a5393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - せいなさん» せいな様、その初めてを私に下さり有難うございます!嬉しいです!泣いてくださるほど感情に入り込めた事更に嬉しい。こちらこそ見つけて下さり、そして読んで下さり、コメント下さり有難うございました(^^) (2021年4月8日 8時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 初めまして。感想なんてはじめて書きます。笑こんなに泣いた小説ははじめてでした。すっごい感動しました。素敵な作品を作っていただき、ありがとうございます。この作品大好きです。 (2021年4月8日 0時) (レス) id: 6e9aa29fb4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - 雪の王子様さん» こちらにも有難うございます!お付き合いしてると錯覚してもらえるなんて、凄い褒め言葉です!嬉しい(泣)素敵なコメントほんとに有難うございました! (2020年10月7日 13時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆ゆきんこ☆ | 作成日時:2020年9月11日 12時