341：無いものねだり ページ48
-バロside-
控え室に入ってすぐにソファーに座り
まだ眠気が覚めずにそのままソファーの上で横になった俺に
「ちょっとバロ、1人で占領するなよ!!」
なんて言いながら俺の足を動かし隣りに座ってくるサンドゥル
BR「ったく…朝から煩いんだよ…」
深いため息を吐きながら足を曲げてもう一度目を閉じようとした瞬間、
「ねぇ、あれ見て!!」とテンション高めに訴えるサンドゥルの声に
俺は嫌々ながらも思い体を起き上がらせた
BR「なんだよ…」
SD「見てよあの2人!!昨日も会ってたのに
朝からイチャイチャしちゃってさぁ〜」
「ヒョンばっかりズルいなぁ…」なんて口を尖らせて文句を言うサンドゥルの目線の先には、
控え室の隅で手を握り合うAとジニョンヒョンが居て、
そんな2人を遠目に見ていた俺は自然と渇いた笑いが込み上げていた
BR「フッ…」
SD「…何で笑ってんの?」
BR「いや、別に…」
SD「なんだよ〜
いきなり笑うなんて気持ち悪い」
気味悪そうな顔をして俺を見るサンドゥルに
「何でもないって」と曖昧な返事を残してソファーに寝転んだ俺。
何で笑ったかって、それは手を繋ぐ2人がバカップルに見えたからってわけじゃない。
“バロが羨ましい”なんて言ったヒョンの言葉を思い出したからだ…
俺が羨ましいなんて嫌味にも聞こえるその言葉を思い出して笑えてきたんだ。
今も昔もAにとってだたの友達でしかない俺が羨ましいなんてバカバカしくて笑えてくる、
俺は…ヒョンの事が死ぬほど羨ましいっていうのに…
「バロっ!!」
そんな声に驚いて閉じていた目を開くと、
控え室の隅に居たはずのAがいきなり目の前に居て目を見開いた俺
「ジニョンさんに何言ったの!?」
BR「は?…何が」
「だから!!昨日バロに昔の私の話しを
聞いたってジニョンさんが言うから!!」
BR「あぁ…」
「なに!?何話したのっ!?
変な事言ってないよね!?」
BR「別に…大した事言ってねぇよ」
「本当?…それならいいけど…」
BR「まぁ…超バカで英語はいつも
赤点だったって言ったくらい」
「ちょ……バロっ!!!!!」
それからのAは、酷いだの最低だのとことん俺にキレてばかり…
「何でそんな事言うのよっ!!」
BR「なんでって、本当の事だからだろ!?」
「もーっ最低!!信じらんないっ!!」
あーぁ…俺はまたAを怒らせちまったみたいだ…
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
