328：思わぬ刺客 ページ35
-ジニョンside-
Aちゃんとやっと良い雰囲気になれたと思ったのに、
その雰囲気を掻き消す様にけたたましく鳴り響いた僕の携帯。
いつもの着信音に嫌悪感を感じたのは騒いでるサンドゥルの姿が浮かんだからで、
何となく出ない方が良さそうだと判断して無視しようとしたけど、
いつまで経っても鳴り止まない電話に痺れをきらした僕は仕方なく携帯を手にした
JN「はぁー…サンドゥルだ…」
案の定そこにはサンドゥルの文字…
JN「ったく…こんな時に…」
せっかくいい所だったのに邪魔するなよ…と僕は大きなため息を吐いた
「サンドゥル…ですか?」
JN「うん」
「…出なくていいんですか?」
JN「いいよ、どうせ出ても
ウルサイだけだから…
せっかくの時間邪魔されたくないし」
出てもどうせくだらない事を言うだけだと確信して電話を切り、
「さっきの続き…」と言いながらもう一度近づくと戸惑いの表情を浮かべるAちゃん。
優しく頬をなでて唇を近づけ、
ギュッと目を閉じるAちゃんを可愛いと思いながらもう少しで唇が重なる…と思ったら、
重なる直前でまた携帯が鳴り目を開いたAちゃんと目が合った
PRRRR.....PRRRR.....
「…鳴って…ますね…」
JN「はぁ…ったく…」
「またサンドゥルですか?」なんて言うAちゃんの声に促されて渋々携帯を確かめると、
そこにはサンドゥルではなくシヌの文字が…
JN「いや、シヌから」
そう言って携帯の画面を見せると、
「シヌさんからだったら出た方がいいんじゃ…」なんてAちゃんは言ったけど、
これがどういう事なのか僕には分かる…
JN「違うよ、きっとサンドゥルが
シヌの携帯借りてかけてるだけ」
「そう…なんですか?」
そうに決まってる。本当にアイツは…しょうがないヤツだ…
「あっ、切っていいんですか!?」
しばらく携帯を眺めた後、また電話を切った僕に驚いた顔をするAちゃん
JN「大丈夫だよ、どうせ早く帰って来いとか
そういう話しだろうし…」
せっかく2人っきりになれるチャンスなのに邪魔されたくないと、
「気にしなくていいから…」そう言った側からまた鳴り響いた着信音。
何度も鳴り続けるその着信音に僕は項垂れながら携帯を手にした
JN「はぁー…」
「…今度は?」
JN「チャニから」
いい加減にしてくれよ…サンドゥル…
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
