322：今まで通りに ページ29
「キャッ…」
廊下を歩いていると突然誰かに腕を掴まれて、
倉庫のような部屋に引きずり込まれてしまった私
「ちょ…っ…なにっ…」
“「シーー!!!!!」”
どうにかこの手から逃れようと暴れながら誰に腕を掴まれたのか確かめようと振り向くと、
そこには口に人差し指をあてて“「静かにっ」”と小声で話すバロの姿が…
「バ、バロっ!?なにやってんのっ…」
BR「しーっ!!もっと声小さくっ」
「誰かに聞かれるかもしれないだろ」なんて眉間に皺を寄せるバロを見て私は静かに頷いてみせた
BR「お前…俺との事で
チャニに何か言われただろ」
「えっ…なんで知ってるの!?」
BR「はぁ…ったく、やっぱりな…」
驚く私を見て呆れたように大きくため息をついたバロ
BR「チャニはめちゃくちゃ勘いいんだから
少しは気をつけろよ!!」
「気をつけろって…そんな事言われても…」
何をどう気をつければ良いのか分かんないよ…
BR「だいたい、よく考えてみろ。
この前のあれは事故だったんだ
俺達は悪い事したわけじゃない、そうだろ?」
「う、うん…」
言い聞かせる様なバロの言葉に私は素直に頷いた。
確かにバロの言う通り、あれは事故だし私達は別に悪い事したわけじゃない
BR「だからもう忘れよう!!
何もなかった事にするんだ。
あれは肩がぶつかったんだと思って
今まで通りの俺達に戻ろう」
「う、うん…そうだね
私も…それがいいと思う…」
そんな風にでも考えなきゃこのままじゃ仕事出来ないもん…
だからバロの言う通りあの日の事は忘れよう、
肩がぶつかっただけ…そう思えばなんて事ない…
BR「はぁ…ったく…
Aのせいでこんな事に…」
「ちょっと!!私のせい!?」
BR「そうだろ」
“当然”とでも言いたげな顔でこっちを見るバロの顔が本当に憎たらしくて、私はすぐに言い返した
「何言ってんのっ
こうなったのはバロのせいでしょ!!」
BR「は!?お前こそ何言ってんだよ!!
あの時Aが素直に諦めてたら
こんな事にはならなかったんだよ!!」
「なによそれっ!!元はと言えば
何かを隠してたバロがいけないんでしょ!?」
そうだ、あの時バロが怪しい行動なんてするからこんな事になったんだ、
だからこんな事になったのは全部バロのせいなんだからっ
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
